前回の続きのお話をさせていただきます
あれから肝臓内科の先生の診察があり
インターフェロン治療をする事を前提に適合検査を
受けた訳ですが、色んな項目はほぼクリア出来て
大丈夫だという事で、出るであろう副作用の詳しい
説明を受けました、先生が「この中で一番心配な
副作用は何ですか?」と言われたので、やはり
うつ症状だと答えると、それじゃぁ今から精神科の
先生に連絡を入れておきますので、すぐに行って
相談してきて下さい、それから決心がついたら又
次の診察で考えましょう、という事で、同じ病院内
の精神科に行った。さすが精神科の先生は優しくて
色んな不安をゆっくりと聞いて下さって「大丈夫
ですよ、インターフェロン治療に入る10日前位
から軽い抗うつ剤を出しますから、様子を見てから
入院して治療をしましょうね、入院中も僕がいつも
ついていてあげるし、その時々にあったお薬で
副作用を抑えていくから心配せずにね」と言って
下さってこれなら大丈夫かも・・と思った。
その次の日は、6年前に手術を受けた外科の診察日
になっていて、先日のガンの再発の定期精密検査の
結果を聞く日だった(どれも同じ市民病院です)
診察屋へ入るといつもは先生の前のパソコンには
検査結果がギッシリと書いてある場面なのに、今回
レントゲン写真が大きく映っていて、先生が暗い顔
で「○○さん・・今回の検査なんですが、肝臓に黒い
ものが映っていてねぇ・・・だから5日後にMRI
検査でもう一度詳しく調べてみましょうか・・・」
「え?・・・黒いものってひょっとしてガンですか?」
「うぅ〜ん・・・そうかも知れないし、そうじゃ
ないかも知れないから調べてみるんですよねぇ・・」
「じゃぁ肝臓だけじゃなく他の臓器にも再発の
可能性があるっていう事ですか?」
「肝臓腫瘍だとして手術の方法も考えてはいますが
今は何とも言えないのでとにかく調べましょうか」
そう言われもう頭の中は真っ白!心臓はパクパク!
5日後の再検査まで何をやっても、うわの空状態で
食欲もなく、まともに眠れず、考えるのは最悪の事
ばかりで、もしガンの末期ならやっておかなければ
いけない事をメモに書き出しておいた
通帳や保険証書などその他大事なものは夫は何も
分からないし、母や弟の位牌や仏壇の事や私の
お葬式の手配etc。。。
夫は慰めや励ましの言葉を言うわけでもなく呑気に
お笑い番組を見てケラケラ笑っているので
「こんな時に私の横でよう笑えるなぁ・・」と言うと
「お前がいなくなったら又新しい嫁さんと人生を
楽しくやり直せるわぁー、俺は夢がいっぱいやぁ」
ほんま。。なんちゅう夫や。。。情けないわ。。。
MRI検査は造影剤を点滴しながら、筒のような
ものに入るが、閉所恐怖症なので極度の緊張だった
ヘッドホーンから癒しの曲が流れるがそれよりも
大きく機械の音がドドドド・・ドンドドと流れ続けて
マイクから「ハイ!息を吸ってー!吐いてー!
ハイ止めて!」と何度もやり、それがまた止めてる
時間が長いやんか。。
まだかぁ?もう限界やでぇひょっとして忘れてるん
ちゃうかぁ?。。。と思うくらいだった
結局40分も入っていた。
技師さんに「皆さんこんな長いんですか?」
と聞くと、「いえ、ほんとうは短いものなんですが
○○さんの場合は先生からいろんな指示を受けて
ますから長くなってしまいました、ご気分が悪い
とか眩暈がするとか大丈夫ですか?立てますか?」
「はい、大丈夫です」とは言ったものの、そんなに
長く検査するくらいだから、きっとあちこちガンが
転移してるん違うやろぅか・・・とまたまた心配で
ドキドキしてきて、それから3日後の診察日までも
前にも増して何も手につかない状態になった。
そんな時に冷蔵庫が、ガタガタ、カックンドドドン
と鳴り、冷蔵運転が停止してしまった
コンセントを抜いて挿していろいろとしてみたけど
音はするけど冷えなくなった
もう12年だからそろそろ寿命なのかも・・・
こんなややこしい時に家電店に行く気にも
ならないが、夫は機械ものは全く解らず、とても
買ってきてはもらえないので、仕方なく家電店に
行ってきた。
いろんな説明を係の方がしてくれていたが、耳に
入らず、今の冷蔵庫とほぼ同じくらいのを・・とだけ
言って選んでもらった
「これはエコタイプですから良いですよ〜それに
10年保証もついていますしね♪」と言われたが
そんな10年も生きてられるかどうかも
分かれへんのにどうでもええわぁ。。
エコとかで電気代が安いかも知らへんけど、私が
死んだら払うのは夫やしなぁ・・・
そんなんもうどうでもええわぁ。。。と思いながらも
支払いの時はしつこくしっかり値切っていた。。。
検査結果を一人で聞くのが怖くて夫に
「当日一緒に病院へ行ってくれへん?もしガンやて
言われたらパニックになって、その後の手術の方法
とか抗がん剤の事とかとても頭に入らへんと思うし
ショックで倒れるかもやし・・・」と言ったら
「何言うとんねん、子供やあるまいし自分の事は
自分で聞いて考えろやー、紙にでも書いてもらえ!
そんな付添いの事でいちいち仕事を休めるかい!」
そう言われなんか無性に悲しくて寂しくなりました
こういう時にそばについててくれへんのやったら
なんのために夫婦やってるねん・・・と涙が出てきた。
当日の朝、食事の用意をしても夫が起きてこない
ので起こしに行くと「きょうは仕事休むんやー
会社に行ったら仲間に怒られるんやー」と言います
「なんでやのん?」って聞くと
「みんなが奥さんについて病院へ行ってあげるのが
当たり前って言うんや、とくにパートのオバサン
たちがものすごい剣幕で怒りよんねん、夫って
なんのために一緒にいるねんなぁーって言われて
こんな日に仕事に出てきたらみんなで追い返すって
言いよんねん・・・」
なんや。。。。会社へ行かれへんから仕方なく
ついてくるんかい。。。とは思ったけど、仕事仲間の
方々の気持ちが嬉しかった。
診察室へ入っていくと先生がパソコンをしばらく
じーっと眺めながら言いました
「○○さん、心配させましたけど、詳しい検査の
結果、ガンではありませんでした、異常なしです」
「えっ!?再発じゃないんですか??じゃぁ黒く
映っていたのは何ですか??」
「うぅ〜ん・・こういうことは稀にあるんですが
臓器の影が黒く反射していたんですよねぇ・・・」
「ほんとうに心配ないんですね?他にも転移
なんかもしていないんですね?」
「心配させてどうもすみませんでした、まぁ
こういう心配があるから出来ればインターフェロン
治療を前からすすめていたんですよねぇ・・・」
「はい!やります!今回の事でやっと決心が
つきました、こんな心配をずっとするくらいなら
副作用で苦しいのも、我慢できるように思います
ありがとうございました♪」
「それじゃぁ肝臓内科の先生とよく相談して下さい
費用の方も今は補助申請が出来て負担も軽くなって
ますからね」
・・ということでもう嬉しくて飛び上がりそうでした
夫は「ほら見てみぃー俺がついてこんでも
良かったやろぅ、お前は運の強い奴やから
俺より長生きするわい!やっと飯が食えるやろ?
きょうは焼肉でも行こかぁ?」
今回の事はいろんな意味で反省することがいっぱい
ありました
毎回ガンの再発の精密検査で異常なしと言われて
それが当たり前だと思い、それを感謝に思わず
なんと傲慢な気持ちになっていたのでしょう〜
嫌なことは何かにつけて勝手に理由をつけて
ついつい後回しにしていて、健康管理への配慮が
たりなかったこと・・・
一日一日を無事に終えることの有難さにも
感謝の念が薄れて惰性で日々を送っていたこと・・
今回は死ぬほど心配しましたが、私には必要な
試練だったのかもと、それも感謝に思えてきた。
それとは別に、生きているうちに楽しい事も
積極的に時間を作り、実行するようにしないと
結局何も楽しい事はなかった・・なんて後悔する
人生になってしまうだろうなぁと思いました
あぁきょうの焼肉はほんとおいしかったなぁ〜♪
やっと写真でも撮ろうかと思えたので
お向かいの柿の木に来ているメジロさんを。


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