私が「うちの夫、ケモノみたいでさー」と言うと
「えっ?ケダモノ?昼真っから何言ってんのー!」というような反応をされる。
ケダモノのように(例えば野性的に)私を愛してくれるなら大歓迎?だけど、そうではない。
「ちがう。ケモノ。人間じゃないの…」と私。
ここ数日夫は風邪をひいていた。
今回は高熱に頭痛、寒気などが続いて長引いた。
夫はだーい好きなビールも飲まない。重傷だ。
(私はかまわず飲んじゃうけどね。)
仕事から帰ると居間に布団にからまって夫がころがっている。
「食欲ない?」
「うん…」と弱々しい返事の夫。
「カラアゲは?」と好物でチャレンジ。
「食べる」
あ、それは食べれるんだ。
「あとは?」さすがにカラアゲだけ食べさせてもね。バランスが悪いし。
「あったかいの飲みたい」。
何?いつもと好みが違う。「味噌汁とか?スープ?」
「みそしる…」と夫。しょうがないな。極力やさしくしなくちゃね。
うろうろする夫。何?
「ふろはいる」って?え?ごはんは?
「ご飯先?後?どっちなの!」たたみかけてしまう。
ご飯先なら急いで作るし、後なら私、少し休みたい…。
結局先お風呂だって。相手は病人。がまん…。
熱39度の時もあった。困ったな。薬屋さんにはインフルエンザかもって言われたし。
「病院行こうよ。今から。ね?」
「いい。熱下がった。寝たら治る…」と言うこと聞かない。
「寝るのが一番」って野生のケモノみたいなこと言うし。治す気あるの?
夫の顔をじっと見る。ヒゲ伸びてるなー。
ほっぺの両側から一本ずつ長いヒゲが生えてる。ネコみたい…。
ネコのヒゲって体が通れるかどうか幅を計るんだっけ?もうヤダ。
「うざい!毎日ケモノの世話しに帰るのもうイヤ!!!」ちょっと爆発。
「病院行こうよー。人間のかからない(かかりにくい)病気かもしれないじゃん。鳥インフルエンザとか狂牛病とか…」
困って母に電話したときのこと。
「夫が風邪ひいてさー。熱が39度とかあってね。うれしそうに体温計見せるの。熱低いと見せてくれないくせに。腹立つの。」
「お父さんもそうだよ」と母。そう…。どこもそんなかなあ。
「治る」というケモノの予言通り本日完治。
教訓:ケモノのことはケモノに聞け。
人間の治し方じゃだめかもね。私仕事今忙しいの。疲れた…。治ってよかった。

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