「2018年ルーキー回顧80 西巻 賢ニ(仙台育英3年)遊撃」
状況説明
西巻 賢ニ(楽天6位)遊撃 (仙台育英出身)
蔵の入団前評価:指名見送り
守備・走塁はプロ級でしたが、打撃に物足りなさがあり小柄な体格も考えると、大学タイプのセンス型だと評価していました。しかし私の予想を反して、1年目から存在感を示す活躍を見せてくれました。
そんな西巻選手の1年目は、
一軍で 25試合(77打席) 0本 3点 0盗塁(0失敗) 打率.247厘 と高卒ルーキーだったことを考えれば破格の内容です。
91試合(332打数) 5本 33点 8盗塁(5失敗) 打率.253厘 を残しました。
まず一二軍合わせて 116試合で、409打数 を無事経験できたことは大きい。さらに二軍で大卒野手の基準である2割5分以上を高卒で残すなど、課題だった打撃でも対応できたことは大きかった。
むしろ走力は中の上ぐらいだと思っていたので、8盗塁で5個の失敗(成功率61.5%)を70%以上には引き上げたいところ。守備では、二塁で34試合(守備率.967厘)、遊撃では3試合(守備率1.000厘)、遊撃では77試合(守備率.939厘)と、安定感はイマイチだったのがわかる。単純に守備率で判断するのであれば、セカンドならば守備率は.980厘、遊撃ならば.970厘以上が目安となる。それに比べると、まだ守備で信頼されるといったレベルには開きがあったようだ。守備から信頼を得たいタイプだけに、この数字はまだまだ高校生であることを露呈した。
打撃成績をもう少し詳しくて観てみると、332打数で37三振。三振比率は、11.1%とかなり低い。いつも言うように、三振比率は20%以下が一軍への目安。しかし15%を切って来るというのは大変優秀で、振ったバットがそれだけボールを捉えられる技術が高いことを意味する。打撃でも、非凡なミート力を持っていたということだろう。
そして四死球は、三振と同じ37個。これも目安である10%以上を超える11.1%を記録。ボール自体も見えていて、しっかり見極めていたことが伺われる。
ボールを見極める眼を持っており、そこで判断し振り出しスイングで確実にボールを捉えることができていた。このことは、打率.253厘という数字以上に、今後の可能性を感じさせてくれる内容となっている。打撃の成長もあったのだろうが、これは完全私自身彼の能力を見誤っていたのかもしれない。
ただしこの選手、高校生にして完成度の高い洗練したタイプだった。問題は、ここから一軍に定着するだけの、上積み成長力が何処まで残されているかということだろう。順調なぐらいの1年目を過ごし、昨年の経験を活かせれば今年はさらに大きな飛躍が期待できるはずなのだが。その辺がどうなのか、2年目の今年は注視してゆきたい。高卒それも6位での入団を考えれば、充分に合格点の与えられるルーキーイヤーだったのではないのだろうか。
蔵の印象:◎ (果たして成長力がどの程度残されているのか?)

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