「2019年ルーキー回顧8 高橋 優貴(八戸学院大)投手」
状況説明
高橋 優貴(巨人1位)投手 (八戸学院大出身)
蔵の入団前評価:☆☆☆ (上位指名級)
アマチュア時代はハマった時は凄いけれど、なかなか勝ちきれない投手で素材型のイメージが強かった投手。しかしプロ一年目から一軍で、
18試合 5勝7敗 防 3.19 と試合を作っている姿は驚きでした。アマ時代を知るものからすれば、こんなに一年目から試合をまとめるような投球をするのかという思いと、何か以前ほど爆発力がなくなりおとなしくなってしまった物足りなさが同居したのではないのでしょうか。
もう少し一軍成績を細かくみてみると、93イニングを投げて被安打は70本。被安打率は、75.3%と低いのに驚かされます。一軍の被安打率の目安は90%以下ですから、この数字は二桁勝利をあげるような投手の圧倒的な数字です。
しかし四死球は54個であり、四死球率は 58.1% とかなり高い。いつもいうように四死球率の目安は投球回数の1/3以下ですが、一軍ならば30%台・悪くても40%台には悪くても抑えたいところです。この余計な四死球が、被安打が少なくても勝ち星より負け越しが先攻してしまう原因になったのかもしれません。
奪三振は89個で、1イニングの奪三振は 0.96個 とこれも極めて高いです。先発投手ならば、0.8個以上。リリーフでも0.9個以上あれば決め手があるといえるほどで、リリーフ投手の基準をも上回っています。プロの打者相手でも、三振が奪えていたことがわかります。このへんの奪三振の多さが、四死球でランナーを出しても防御率 3.19 で踏ん張れた要因ではないのでしょうか。先発投手の防御率の目安は、3.50以内ですから、この点でも合格ラインです。
数字を観る限り、ボールの威力という意味ではプロでも充分に通用していたということがわかります。爆発的なボールは陰を潜めたように見えますが、力でねじ伏せなくても打者を仕留められるコツを掴みつつあるのかもしれません。
来年に向けては、1試合トータルで見た時の勝つコツみたいなものがつかめるようだと、勝ち星と負け数がひっくり返るどころか、二桁も見えて来るのではないのでしょうか。ドラ1投手の5勝という数字は微妙ですが、来年に明るい展望が開けるルーキーイヤーだった気がします。
蔵の印象:◯ (数字的には素晴らしい)

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