「2019年ルーキー回顧82 小郷 裕哉(立正大4年)右翼」
状況説明
小郷 裕哉(楽天7位)右翼手 (立正大出身)
蔵の入団前評価:指名見送り
関西高校時代は、強打の二塁手として注目していました。ただ当時は、まだプロ入りするのは時期尚早と評価しており、立正大に進学したのは正解だったと思います。大学進学後は、身体能力の高さを活かして外野に転向しました。ただし大学でのプレーを見る限り、守備でも走力でも打撃でも、突き抜けたものがなく埋もれてしまいそうだと思い、指名リストには名前を入れませんでした。
そんな小郷選手の一年目は、
一軍では 22試合(29打数) 1本 6点 1盗(0失)打率.172厘 ということで、今後の期待込みで起用された感じです。
二軍では、60試合(188打数) 4本 27点 13盗(5失) 打率.239厘 でした。
一二軍合わせて、82試合(217打数) を経験できたことは、一応の評価ができます。二軍での打率は、大卒ルーキーの目安である2割5分には満たず、やや物足りなかったことが伺えます。このことからも、ファームでの成績が良かったから一軍に上げたわけではなかったことが伺えます。
自慢の走力では、盗塁成功率は.722厘ということで、盗塁という作戦の目安となる.700厘以上を越えたことは評価できるかと。守備は58試合で3失策、守備率.972厘はやや安定感が物足りません。まぁ一個のエラーで数字が全然変わってくる外野手なので、この数字だけで判断するのは難しいのですが。
もう少し二軍の打撃成績を詳しく見てみると、188打数で51三振。三振比率は、27.1%。いつも言うように、二軍選手の三振比率の目安は、20%以下になります。それだけ振ったバットが思い通りに当たらず三振しなかったか? 思わず良いところに投げ込まれて、手も足も出ずに対処できなかったことを示しています。まだまだ、自分のイメージどおりにはボールが捉えられなかったことがわかります。
四死球は35個で、四死球率は 18.6% 。これは10%以上が目安ですから、15%を超えるようだと、相当ボールを見極められていたことがわかります。打率.239厘にも関わらず、出塁率は.388厘と極めて高いことがわかります。彼のように出塁してかきまわしたいタイプとしては、出塁率は大事な要素です。
そのためボール自体は良く見えていたけれど、技術が未熟で当てられなかったということなるのでしょう。別の言い方をすれば、技術が上がれば成績を伸ばせる可能性があるということです。そういった意味では、2年目以降数字を伸ばして行ける余地はあるということになります。
今年は、大崎町・都萬神社の 福男 にも選ばれたそうで、チームに福を与える存在として期待が集まります。私が高校時代から指摘する、ポテンシャルの高さがプロの世界で引き出されるかもしれません。期待して、2年目の活躍を見守ってみたいと思います。ことルーキーイヤーとしては、及第点だったと思います。
蔵の印象:△ (2年目の飛躍に期待)

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