「2021年ルーキー回顧1 山下 舜平大(福岡大大濠)投手」
状況説明
山下 舜平大(オリックス1位)投手 (福岡大大濠出身)
蔵の入団前評価:☆☆☆ (上位指名候補)
1年春に見たときは、細身でセンスに勝ったタイプという印象で、むしろチームメイトの左腕である深浦という投手の方が目につきました。それが、最終学年になったら見違えるような体つきになりビックリした記憶が。一年でこれほど変わる選手も珍しいのですが、むしろ超素材型になっていて驚きです。そのため素材はA級でしたが、モノにするのにはかなりの育成力が求められたり、リスキーな危うさも感じていました。
そんな山下選手の一年目は、高卒一年目ということで一軍登板は無し。
二軍では、18試合 2勝9敗 防 5.48 という内容に。フェニックスリーグでも見ましたが、ボールの威力は確かに感じましたが、まだまだ粗い印象は受けました。
数字をもう少し細かく見てみると、65回2/3イニングで被安打は79本。1イニング1.2本以上のヒットを浴びるなど、まだまだだとわかります。彼の場合は、ボールの威力・球威が物足りないというよりは、明らかに合わされやすいかったり甘いゾーンへ投げてしまってという理由ではないのでしょうか。あるいは、配球が単調で読まれやすかったなども考えられます。一軍を意識するのであれば、被安打率が投球回数に対し80%台、一軍定着を狙うのであれば、70%台にまで到達できるぐらいの突き抜けたものが求められます。
四死球は47で、四死球率は71.6%。二軍での四死球率の目安は、投球回数の1/3(33.3%)以下ぐらいないと苦しいですし、三振が人並み以上獲れるのであれば40%以下ぐらいまで許容範囲でしょうか。まだまだその倍数以上ですから、コントロールもかなり粗いことがわかります。
奪三振は48個で、1イニングあたり 0.73個 と平凡。彼のようにリリーフならば、1イニングあたり0.9個以上は欲しいですし、先発でも0.8個以上は望みたいところ。そういった意味では、三振を取るという部分でもまだ物足りません。
全てのファクターが、目安よりも大きく下回っているので、防御率が 5.48 だったのも致しなかったところです。高校時代の投球やフォームを分析してみて、思いのほか実戦力に欠けるところがあったので、この成績は想定内です。問題は、そういった細かい部分を凌駕するぐらいに、ボールの凄みを増すことを期待されての指名だと思います。
身体ができてきて、環境になれ始めた2年目・3年目ぐらいに、ボールが見違えるようになることを今は期待しています。ことルーキーイヤーとしては、少々残念な一年目という結果に終わりました。
蔵の印象:△ (成績は想定内で、いつ化けられるか?)

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