「2021年ルーキー回顧27 古川 裕大(上武大)捕手」
状況説明
古川 裕大(日ハム3位)捕手 (上武大出身)
蔵の入団前評価:☆☆☆(上位指名級)
「打てる捕手」として期待されたが、最終学年では下級生捕手がマスクをかぶることが多く、ディフェンスの成長が確認できないまま終わってしまった選手でした。ドラフト識者からの評価は高かったものの、思ったほど現場での評価は高くなかったギャップを感じさせる選手でもありました。
そんな古川選手ですが、一軍の出場は無し。
二軍では、58試合(138打数) 2本 22点 1盗(2失)打率.232厘 といった内容でした。それでもファームでは41試合と、チームで一番マスクをかぶっていた選手ではあります。
捕手というポジション柄、58試合・138打数 は、経験という意味では物足りないものの致し方なかったようにも思えます。また大卒ルーキーの目安である、打率2割5分越えもできなかったものの、捕手であることを考えるといろいろ負担が大きく余裕がなかったのかなと同情できる部分はあります。
もう少し数字を細かく観てゆくと、138打数で34三振。三振比率は、24.6% と平凡です。一軍を意識するのであれば、まず三振比率が20%以内を目指したいところ。まだまだプロの球に対し、イメージどおりにはバットに当たってくれなかったと、レベルの差に戸惑ったのかもしれません。ただし、この数字が極端に悪いわけでもありませんが。
四死球は21個で、四死球率は 15.2% 。四死球率の目安は10%以上であり、15%を越えているとかなり優秀です。それだけ、ボール自体は見極められていて見えていた可能性があります。打率は.232厘でも出塁率は.333厘 と悪い数字ではないので。
これを裏返せば、ボールは見えていたけれど、技術が未熟だったり捕手として負担が大きく余裕がもてなくボールが上手く捉えられなかった可能性があるということ。プレーに余裕が出て技術も上がってくることができれば、2年目以降打撃の改善も望める可能性があります。
問題は、打撃が売りの捕手だけに打てないと評価は高まりません。また守りで、何処まで許容範囲に留められるのかが課題になってきます。投手が打席に入らないパ・リーグでは、セ・リーグほど「打てる捕手」への需要は高くなく、まず守れることが第一です。そんな中で、いかに今後チームの信頼を高めて行けるかではないのでしょうか。個人的には、もう少し打撃ではやってくれるかなと思っていたので、少々残念な1年目でした。
蔵の印象:△ (今季は打撃で圧倒して欲しい)

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