「2021年ルーキー回顧68 中野 拓夢(24歳・三菱自動車岡崎)遊撃手」
状況説明
中野 拓夢(阪神6位)遊撃 (三菱自動車岡崎出身)
蔵の入団前評価:☆☆(中位指名級)
遊撃の守備については、充分プロで通用すると観ていました。また走力はあったのですが、インステップして踏み込むために、一塁到達タイムが遅れがちな選手ではありました。バッティングもインサイドアウトのスイング軌道でミート力は高かったのですが、プロ仕様のしなりを生かしたスイングではなかったので、何処までプロの球に対応できるかは懐疑的な見方はしていました。
そんな中野選手の一年目は、
一軍で 135試合(466打数) 1本 36点 30盗(2失) 打率.273厘 と、野手ながら一軍でレギュラー、それも遊撃手としてこなした点は極めて高く評価できます。例年ならば、充分に新人王クラスの内容でした。
遊撃手として2割7分以上も見事なのですが、特筆すべきは30盗塁を決め失敗は僅か2個という盗塁の成功率。守備率もショートとして、.970厘 と、信頼できるショートの基準を満たす安定感を誇りました。
打撃に関してもう少し詳しくみてみると、466打数で81三振と、三振比率も17.4%。一軍で20%以下は、かなり優秀だと言えるでしょう。それだけ振ったバットが、イメージどおりにボールを捉える機会も多かったのではないのでしょうか。
四死球は40個で、四死球率は8.6%と平均的。そのため出塁率も、.321厘 とそこまでは高くありません。ボールの見極め・選球眼という意味では並で、むしろ積極的に打ちにゆくことで、打率を残していたのかもしれません。
いずれにしても、守備・走塁は充分ぐらい。心配だった打撃も、想像以上に対応できていました。こういった成績を、今後も維持・向上させて行けるかは課題ですが、ことルーキーイヤーとしては文句なしだったと評価できます。
蔵の印象:◎ (6位でこの活躍は見事)

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