関谷 亮太(ロッテ2位)投手 (JR東東日本出身)
蔵の入団前評価:☆☆☆
彼の最も良かった時期は、明大4年春〜日米野球の期間と、JR東日本入社1年目の都市対抗予選の頃だったと思う。すでにその頃には、社会人相手にも見下ろして投げており、モノの違いを感じさせた。しかしあまりにフォークに依存しすぎる投球スタイルで、どうも肩だか肘の状態が芳しくない時期があるのではないのだろうか? ダメな時はまるでイップスなのかと思うぐらいストライクが入らず、試合を序盤でぶち壊してしまう場面が何度か観られたのが入社2年目。その立て直しに成功すれば、充分二桁を意識できる投手ではあるが、プロではどっちに転ぶかわからないという不安の中でのプロ入りとなった。
そんな関谷の1年目は、
16試合 5勝6敗 防御率 5.52 という成績だった。5月にプロ入り初登板を果たすと、比較的トントン拍子で勝ち星をあげてゆく。しかしシーズン終盤になると調子を崩し、結局5勝・防御率5点台という成績に終わっている。
もう少し数字を細かくみると、88イニング投げて被安打は100本とイニングを上回り、被安打率は113.6%にのぼった。これは、ボールが走らないと140キロ前後でコントロールもつかなくなり、格好の餌食になりかねないからだ。四死球は39個で、四死球率は44.3%。この数字だけ観ると、あまりコントロールがよろしくないように思える。しかし好調時にはコントロールは安定制球は基準以上だが、調子が悪くなると全くストライクが入らなくなったり別人のようになることも少なくない。そういう内容も含めての成績だと、考えて頂きたい。奪三振も58個であり、1イニングあたり0.66個とまさに平均レベル。縦の変化を武器にしている割には、少々寂しい数字になっている。これは、彼の縦の変化がドロンとしており、空振りを誘うというよりもチェンジアップのような意味合いが強いからではないのだろうか。こういったタイプだと、日本ハムにいた、
大塚 豊 のような感じであり、見極められたり、当てられてしまうフォークだということ。
それゆえに以前から、フォークに依存しすぎる投球には警鐘を鳴らしてきた。まして肩・肘に負担のかかる球種故に、勝負どころでのみ使うなど使い方を考えないと相手に慣れられてしまう。さて今年は、良い面も悪い面も両方出た感じの一年であったといえるのではないのだろうか。ドラフト2位の投手が、シーズンのローテーションに入り5勝をしたところには一定の評価をしても良いだろう。しかし後半戦の内容が悪く、来年へにむけて暗い影を落としたのも確か。ストレートを磨き、フォーク以外のでも勝負できるピッチングを模索して欲しい。それができるよういなれば、二桁の期待できるだろう。
蔵の印象:◯ (数字で言えば合格点)

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