木下 拓哉(中日3位)捕手 (トヨタ自動車出身)
蔵の入団前評価:☆☆☆
打てる捕手という魅力と強肩を含めたスケールという意味では、16年度組NO.1捕手だと評価していました。ただし実戦型の
戸柱 恭孝(DeNA)あたりに比べると、1年目から即結果が出るタイプかは微妙でした。
そんな木下の一年は、一軍では
9試合(18打席) 1本 2打点 0盗塁(1失敗0)打率.278厘 と充分な実績は詰めませんでした。むしろ捕手としての育成期間を終えてきた 杉山 や 桂 など今年は積極的に起用する方針だったようです。個人的には、この二人よりも捕手としてのスケールが違うので、我慢してでもベイの 戸柱 のような起用をして欲しかったのが、この 木下 だったのですが。
二軍では、
44試合(100打数) 3本 12打点 0盗塁(1失敗)打率.300厘 と存在感を示します。ただし一軍への成長を促すなら、ファームも合わせて最低でも200打席〜300打席以上は経験させてほしかった・捕手としても40試合程度だとやっぱり充分ではないなという物足りなさはあります。
打てる捕手という明確な部分はファームでも示し、一軍でもその片鱗を魅せられた点は評価できます。もう少し詳しく数字を見ていると、三振は100打数で13奪三振。三振比率は13%であり、一軍を意識できる15%以下の数字になっています。それだけ振ったバットが、ボールに当たる確率が高く三振しないということでしょう。
四死球は12個で、四死球比率は12%。これは、10%を越えていれば優秀という数字であり、それだけボールをしっかり見極められる眼の良さを持っているということ。
100打席でホームラン3本ですから、単純にプロのレギュラー選手並の500打席打席に入れば、15本級の長打力があったことがわかります。もちろんこれはファームでの数字ですから、一軍だったら10本前後かもしれませんが。
それでも打席は少ないとはいえ、一軍でも打率.278厘を残しており、来季一軍で通用するだけの打撃を残しても不思議ではないことが、ファームの数字からも伺えます。現状でも一年間我慢して起用していたら、一軍で 2割5分・10本 ぐらいの成績は充分残せた可能性があります。
まだまだプロの捕手としては物足りない部分があったのでしょうから、ファームでじっくりという選択肢を選んだのでしょう。しかし来季は、一気に正捕手まで昇り詰めても全然不思議ではありません。ただし一軍には同じように打てる捕手・杉山がいるので、その辺の競争に勝てるかでしょうね。しかし残した数字からも、来季はかなり期待の持てる有望株なのは間違いありません。こと大卒社会人ルーキーとしては、一軍実績に乏しいことからも及第点。しかし来季への展望が開けた一年でした。
蔵の印象:△ (来季は大きな飛躍が期待できそう)

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