阪口 皓亮(DeNA3位)投手 (北海出身)
蔵の入団前評価:☆☆ (中位指名級)
昨夏の甲子園組の中では、最も魅力を感じた投手でした。ただしそれ以前の内容や経過を訊いていると、過大に評価すると危険な要素もあったので、
☆☆ の評価に留めました。それでも将来性は高く評価しており、単純に甲子園の内容だけで評価すれば、
☆☆☆(上位指名級) ぐらいは付けたかった投手です。
そんな阪口投手の1年目は、
二軍で 19試合 3勝9敗1S 防御率 6.15 と成績的にはたいしたことがないというか高卒ルーキーでも悪いぐらいです。しかしシーズン中盤以降は、だいぶ内容も良くなり、U−23の代表でも素質の片鱗を示してくれたので、数字ほど悲観するシーズンではなかったように感じます。
もう少し数字を詳しくみてみると、82イニングで101安打 と被安打が遥かに投球回数を上回っています。ボールの威力・制球力・投球術など総合力に物足りなさがあったということですが、実際の投球を観ているとあまりそんな感じはしません。しかし配球に関しては、速い球と緩いカーブに追い込むとフォークといった感じで、中間球が未熟です。そのためスライダーかカットボールあたりで、しっかりカウントを整えられることが何より求められます。被安打率は先発の場合、80%台ぐらいにしないと一軍は見えませんし、80%以下ぐらいに圧倒しないと、一軍での活躍は厳しいでしょう。
四死球は47個であり、四死球率は 57.3% 。けしてコントロールが悪いとは思わないのですが、余計な四死球が多いことを示します。いつもいうように、四死球は投球回数に対し1/3以下が目安で、悪くても40%以内ぐらいにまではまとめたいところです。
奪三振は63個であり、1イニングあたり0.77個。先発で決め手があるというのが、0.8個以上なので、まだあと一歩足りません。このへんは軸となるストレートがもうワンランク強くなって欲しいし、縦の変化球の精度・キレもあと少し増して欲しいところはあります。
二軍の数字を見る限りは、やはり一軍を意識するのは時期尚早だと言えるでしょう。シーズン中盤以降〜シーズンオフの内容を重視しても、まだ一軍云々には1年は早い気がします。かなり監督は来年期待しているそうですが、フロントが止めるべき事案ではないかと思います。京山も1年早かったことが今後どうでるのか心配ですが、それ以上に阪口はまだ肉体的にも発展途上ですので。
ことルーキーとしては、多くの経験を積めたことは評価できるポイント。また投球自体は、将来の先発候補と期待したくなる大器なのは間違いありません。そういった意味では、及第点は与えられる一年目だったのではないのでしょうか。
蔵の印象:△ (数字ほど内容は悪くない)

9