宮本 秀明(DeNA7位)内野&外野 (パナソニック出身)
蔵の入団前評価:未確認
パナソニックにいた鍛治舎巧監督が、秀岳館に就任。そこに在籍していた選手を、高卒ながらパナソニックに送り込んだというのは知っていた。しかし公式戦などで彼のプレーを見たことがなく、指名されてもなお謎の選手だった。ただし入団してみると、なかなか面白い選手だったのだ。
そんな宮本選手は、
一軍で21試合(25打数) 2本 2点 4盗塁(1失敗) 打率.160厘 と一軍がどんなところかは経験できた。
二軍では、54試合(138打数) 3本 14点 8盗(6失) 打率.290厘 といった成績に。
まず一二軍合わせて・75試合・163打数 は、若干実戦経験は少なめだった気がします。それでもオフにはフェニックスリーグや台湾ウインターリーグに参加し、経験の少なさを補いました。高卒4年目の入団だったので、大卒ルーキーと同じ年代。大卒ルーキーの目安が、打率2割5分なので、その点では2割9分残せたことは充分に合格ライン。
チーム屈指の快速として、緊迫した場面での代走起用なども多かったのもあるのですが、盗塁成功率は 57.1% と、まだまだ精度が高いとは言えません。盗塁成功率の目安は、70%以上ですから。
また守備では、二塁手として3試合(守備率.909厘)、三塁手として11試合(守備率.750厘)、遊撃手として3試合(.867厘)と不安定さを露呈し、外野手として33試合に出場。今年からは、正式に外野手にコンバートされました。内野手としては不安定でしたが、チーム1の脚力と強肩を活かし、球際にも強く外野手としては名手になれる可能性を秘めています。
打撃成績をもう少し細かく見てみると、138打数で37三振。三振比率は、26.8% となかなか振ったバットがボールに当たらなかったことがわかります。いつも言うように、一軍を意識するのであれば、この三振比率を20%以下には抑えたいところ。
また四死球は8個で、四死球率は 5.8% と極端に低いのも気になります。目安は10%以上なのですが、ボールを選んで出塁する気が全くないのか? 早いカウントから積極的に振ることを強く意識していたのか、根本的にボールが見えていなかった? これでも打率が.290厘を残していることを考えると、ボールが見えていなかったということは無さそうな気はします。
三振比率の高さ・四死球率の低さからも、ボールが見えていなかった上に、振ったバットがボールに当たらないのではないかという不安は残る数字です。しかしシーズン後半には、イースタンの月間MVPを獲得。オフの台湾ウインターリーグでは、ウエスエタン選抜(DeNAはウエスタンに加入)の4番打者として活躍しました。この選手は、ただ足が速いとか肩が強いというだけでなく、打撃のポテンシャルも秘めていることがわかります。見ていて何故打てるのかあまりわからいないのですが、それでも打ててしまうのはやはりポテンシャルの為せる技としか言えません。
イメージ的には、梶谷隆幸の若い頃に似ている部分はあります。シーズン通しての数字以上に、シーズン終盤・オフシーズンに存在感を高めた選手。今年は一軍代走要員として開幕一軍入りを視野に入れられるところまで来ていますが、単なる便利屋で終わって欲しくはない選手。個人的には、もう1年ぐらいファームにおいて基礎を固めて欲しいと思っています。いずれにしても、ことルーキーイヤーとしては、合格点の与えられる1年目ではなかったのでしょうか。
蔵の印象:◯ (掘り出しものだったかも)

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