中川 虎大(DeNA育成1位)投手 (箕島出身)
蔵の入団前評価:指名見送り
高校時代は、昔ながらの速球派といった粗っぽいタイプだった。確かにストレートに見るべきものがあったが、変化球・コントロールともにイマイチで正直厳しいのではないかと評価し指名リストには残さなかった選手だった。そんな中川選手だが、1年目の春にプロアマ交流戦だかで見たら、見違えるほどに良くなっていたのに驚いたことがある。
中川選手の1年目は、
二軍で 17試合 5勝5敗0S 防 5.00 といった成績に。同期の高卒の 阪口 皓亮(北海)あたりに比べると、体の作り・体力・筋力が1年ぐらい先を行っている印象を受けた。
もう少し細かく数字を見てみると、45イニングを投げて被安打は40本。被安打率は、88.9%。いつもいうように、一軍を意識するのであれば被安打率は80%台。さらに、一軍定着を意識するのであれば、80%以下で圧倒したい。この数字から単純に考えると、一軍で投げるぐらいの力はあるけれど、定着できるほどのものがあったかは疑問といった感じだろうか。
四死球は21個であり、四死球率は 46.7% 。これも目安は投球回数の1/3(33.3%)以下であり、悪くても40%台にぐらいに留めたい。しかし奪三振は44個であり、1イニングあたり0.98個と、ほぼ投球回数と同等といえる。この数字は、先発のみならずリリーフでの基準も満たしており、プロに入って磨かれた縦の変化球が功を奏している。
被安打・四死球の多さが失点結びつき、防御率が5.00という数字になってしまっている。しかし2年目の今年は、被安打の問題は解決し、奪三振も投球回数を上回るなど順調。しかし制球力の問題は、未だに解決していないようだ。
こと高校生での育成枠入団だと考えると、悪くない。ましてチームでの期待度も高まっており、今の調子を維持できればシーズン中の支配下契約も見えてきているところにいる。内容的には及第点ではあるが、期待度含めると合格点を与えたくなるようなルーキーイヤーだった。
蔵の印象:△ (限りなく合格点に近い内容)

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