上茶谷 大河(DeNA1位)投手 (東洋大出身)
蔵の入団前評価:☆☆☆☆(1位指名級)
昨年のルーキーの中では、松本航(日体大-西武)と共に、最も即戦力が期待される存在でした。そんな上茶谷選手の一年目は、
一軍で 25試合 7勝6敗 防 3.96 という成績に。
初勝利をあげるまでに苦しみ、特に2,3勝は本人というよりも采配や他の選手によって勝ち星を取りこぼした試合があったことは否定できません。それでも一年間ローテーションを守ったのは、Denaでは エースの今永とこの上茶谷だけでした。そういった部分は、高く評価して良いと思います。
その一方で、ここで勝っておけばという試合で能力を出しきれなかったりしたことも少なくありませんでした。日によってかなりストレートのデキにバラツキがあり、プロの長いシーズンを戦うだけのスタミナ・調整の持ってゆき方にも課題を残した一年でもありました。
もう少し数字を詳しく見てみると、134イニングで136安打と、被安打が投球回数を上回ってしまっています。一軍での被安打は、投球回数の90%以下に抑えたいので、総合力で物足りない部分があったことは否めません。
四死球も60個を記録しており、四死球は44.8%。彼の場合コントロールが悪いというよりも、プロの打者の打力・プレッシャーによって臭いところを攻めて四球を出すということが多かったと考えられます。四死球も、投球回数の1/3(33.3%)以下に持ってゆきたいところです。
奪三振は102個で、1イニングあたりの奪三振は 0.76個 。先発投手の目安は0.8個以上が目安ですから、若干決め手という部分でも物足りません。また先発投手の防御率の目安は、3.50以内ですから 3.96 という数字も、各ファクターを満たしていないところが、成績にも出てしまった印象です。
この数字をどう観るかは微妙ですが、ルーキーであれば7勝もしましたし合格点ではあると思います。しかし2年目以降もこの数字であれば、ちょっと物足りなさも感じます。全てに関して総合力を引き上げる必要性が求められる一方で、この人は完璧主義者で投球にあまり余裕がない・遊びがない生真面目な部分が悪いように出ていると思います。この部分を2年目の余裕で幅を持たせられるかが、今後成績を伸ばしてゆけるかの鍵なのではないのでしょうか。
それでも7勝をあげられたルーキーは、事前の評判どうり松本(西武)とこの上茶谷だけです。そういった意味では、合格点の与えられるルーキーイヤーだったのではないのでしょうか。来年は二桁勝利、DeNAの右のエースとして成長することを楽しみにしております。
蔵の印象:◯ (来年は二桁を)

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