吉田 輝星(日ハム1位)投手 (金足農出身)
蔵の入団前評価:☆☆☆(上位指名級)
昨年の甲子園のスターで、2年夏〜3年夏にかけて全国で最も伸びた投手という感じがしました。そんな吉田選手の
一年目は、一軍で 4試合 1勝3敗 防 12.27 。
二軍では、18試合 2勝6敗 防 4.35 と平凡な成績に終わります。
元々この投手、高校生としては完成度が高く、投げっぷりの良さが自慢でした。そういった意味では、1年目から一軍での登板も果たしましたし、プロ初勝利をあげられたことは今後に向けて大きいかと。逆に素材としての奥行きに不安があったので、ファームでの成績を見る限り、その点では不安が残った一年ではなかったのでしょうか。
もう少し二軍の成績を詳しく見てみると、62イニングで63安打ということで、被安打が投球回数を上回ってしまっています。一軍を意識するのであれば被安打率は80%台、一軍で活躍ということを考えると、70%台の数字で圧倒して欲しいところです。現状は、総合力で二軍でもやや苦しいぐらいの内容だったということがわかります。
62イニングで30四死球であり、四死球率は 48.4% 。けしてアマ時代コントロールに不安があった投手ではないのに、投球回数の半分近くの四死球を出してしまっています。通常目安は、投球回数の1/3以内、悪くても30%台ぐらいには留めたいのが四死球率。アマ時代の寸評にも書いた通り(上記の氏名をクリックすると無料で読めます)、追い込むまでの制球に甘いところがあり、そういった球を狙い打たれて慎重になってしまったのではないかと危惧します。
その一方で奪三振は53個であり、1イニングあたりの奪三振は 0.85個 。先発投手の奪三振の目安は0.8個以上であり、追い込んでからの決め手という部分では基準を上回っています。追い込んでギアを上げた時の投球には、甲子園投手の才能の片鱗が感じられます。
防御率 4.35 は、並の高卒ルーキーの成績ならばありだと思いますが、やはりドラ1での入団、世間の話題性では最も知名度の高かった選手であることを考えると少々物足りません。正直シーズン後半ぐらいからは、一軍で投げて4,5勝ぐらいしても不思議ではないと思っていただけに、かなり個人的には厳しい一年目だったように感じます。
問題はあまり素材としての伸び代が残されているタイプには見えないところで、これからいかに総合力を引き上げられるかだと見ています。年齢的にはまだまだ資質を伸ばせる年齢なはずですが、そのへんが実際どうなのか?気になります。まさに2年目となる来年は、今後のプロ生活の未来像が、ハッキリして来る大事な一年になるのではないのでしょうか。
蔵の印象:△ (基礎構築の一年だと良いのだが)

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