小幡 竜平(阪神2位)内野手 (延岡学園出身)
蔵の入団前評価:☆ (下位指名級)
走力や肩などの身体能力の高さは感じられたものの、あまり打撃での感性や今後の伸び代みたいなものは感じられなかった選手。正直、2位という高い評価での指名には驚いた。
そんな小幡選手の一年目は、
二軍でのみで 99試合(316打数) 1本 14点 9盗(5失) 打率.225厘 という成績に。まず無事に、99試合・316打数と一定の経験を積めたところは評価したい。また打率は、高卒ルーキーの目安である2割越えを達成した。ただし本塁打1本・14打点と、強打者というよりは好打者タイプというアマ時代の見立て通りの結果となっている。
盗塁は9個と走力をアピールしたいタイプの割には、盗塁数は出場数機会の割には少なめ。盗塁成功率は、.643厘と目安である7割に満たないのは残念だった。もう少し盗塁機会も精度も、2年目に向けて増やしてゆきたい。
守備では、二塁手としては2試合(守備率1.000厘)。遊撃手としては93試合(守備率.952厘)といった内容だった。高卒ルーキーならば、ショートで.950厘以上は及第点は与えられると思うが、プロの遊撃手ならば.970厘以上の安定感が欲しい。まだまだ守備の面でも、精度の向上が求められる。それでも今後もショートとして起用してゆけるだけの適性は、示せた一年目だったのではないのだろうか。
打撃をもう少し詳しくみてみると、316打数で79三振。三振比率は、25.0% 。一軍を想定するのであれば、まず三振比率は20%以内に抑えられるようにしたい。それだけまだ振ったバットがボールに当たらなかったり、良いところに決められると手も足も出なかったということなのだろう。
四死球は15個で、四死球率は 4.7% と極端に低い。これはボールが根本的に見えなかったのか? それとも四死球よりも、とにかく振ってゆこうという姿勢の現れなのか? 4.7%でも打率は.225厘だったことを考えると、後者だったと考えたい。ただしルーキーならばその積極性はありだと思うが、けして長打で魅了するタイプではなく走力などを全面に出したプレースタイル。2年目以降は、出塁率の向上も視野に入れてゆきたい。
ボールがしっかり見えていたのかは数字の上からは微妙で、もしボール自体が見えていなかったとしたら、かなり将来に向けて打撃は心配になる。また技術的に未熟な部分もあり、まだまだ思い通りにはボールが捉えられない。
こと一年目の成績としては、走攻守全てにおいて許容範囲内だとは評価できる。しかしこれが2年目以降、どっちに転ぶかは読みづらい。走力や守備にはスケールの大きさを感じさせる選手だった一方で、打撃では感性や伸び代が何処まであるのだろうと書いた私の寸評の通りだと、2年目以降も打撃で苦しむ可能性が出てくるだろう。それでもこと高卒ルーキーとしては、全てに及第点は与えられるルーキーイヤーではなかったのだろうか。
蔵の印象:△ (打撃に伸び代はあるのか?)

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