板東 湧梧(ソフトバンク4位)投手 (JR東日本出身)
蔵の入団前評価:指名見送り
素材としては伸び代は感じられたものの、まだプロの水準に達していないと判断して
☆ を付けなかった選手です。プロの育成で、1,2年ファームで育成した時に、どのぐらいの投手になれているかではないかとみていた。
そんな坂東投手の一年目は、1軍の登板は無し。
2軍では、21試合 3勝5敗 防 4.14 と、投手のイメージに近い成績を残した。この数字を見る限り、やはりプロの一軍を一年目から意識できる力はなかったことがわかる。
それではどのへんが足りなかったか検証すると、71回2/3イニングで被安打は84本。被安打が、投球回数を遥かに上回ってしまっている。いつも言うように、一軍を意識するのであれば被安打が投球回数に対し80%台。一軍定着を狙うならば80%以下が目安だと書いてきた。投球回数を上回るということは、2軍の打者相手でも、かなり苦しかったことが伺われる。
ただし四死球は14個であり、四死球率は 19.6% と、無駄な四死球は極めて少ない。いつも言うように、四死球率は投球回数の1/3(33.3%)以下が目安であり、その基準は充分満たすことができている。これだけ被安打を浴びても、防御率 4.14 と投球が破綻しなかったのは、四死球の少なさが大きかったといえるであろう。
奪三振は50個で、1イニングあたり 0.70個 と平凡。先発ならば0.8個以上、リリーフならば0.9個以上ないと決め手があるとは言えない。このへんは、アマ時代からこれといった武器になる球がなかったことが、プロ入り後も改善できなかったのではないのだろうか。
被安打の多さは、プロの投手としては球威が物足りなく、簡単に打ち返されてしまう心配をしていたが、そのとおりになってしまった感じがする。防御率も先発ならば3.00以下、リリーフならば2.50以内ぐらいの安定感は一軍を意識するのであれば欲しいところではないのだろうか。
現状は、コントロール以外の部分がプロでは力不足だと判断される。そのためストレートの球威を増すか、フォームで狂わすなりボールを動かすなりして工夫して行かないと、一軍は見えて来ないだろうということ。
高卒選手でも、5年目の入団だったことを考えると、やはり一年目からは一軍半ぐらいは求めたかったレベル。その辺、ソフトバンクの育成力でなんとか改善して行けるのか注目したい。ことルーキーイヤーとしては、やや物足りなかった一年だった。ただし、ある程度それも覚悟で球団も獲得したと思うので、さらなる成長を今は待ちたいところではないのだろうか。
蔵の印象:△ (制球力は良かった)

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