杉山 一樹(ソフトバンク2位)投手 (三菱重工広島出身)
蔵の入団前評価:☆☆ (中位指名級)
駿河総合時代は、真っ直ぐしか投げず敗退した投手という思いが強いです。惚れ惚れするようなフォームから投げ込んでいたのですが、あまりに素材型過ぎました。むしろ高卒3年目で補強選手に選ばれ都市対抗で登板していたり、ドラフトで指名されるまでになって驚いています。この年の社会人では屈指の素材として評価していましたが、一軍で使えるようになるまでには課題も多いと感じていました。
そんな杉山選手の1年目は、
>一軍では 2試合(4回) 0勝0敗 防御率 9.00 といった内容でした。
二軍では、22試合(36回) 4勝0敗 防 2.50 と好成績に。
即戦力云々の素材ではないと思っていたので、一軍の成績は想定の範囲内かと。二軍では、36イニングで23安打と、被安打率は 63.9% と優秀です。いつもいうように、二軍での被安打率は、80%台で一軍を意識でき、一軍定着を狙うなら80%以下が求められると。それを63.9%でしたから、総合力では充分一軍級だったことがわかります。
ただしこの被安打率で一軍戦力と認められなかったのは、四死球が21個あり四死球率が58.3%と極めて多かったからでしょう。四死球率の基準は投球回数の1/3以下ですが、30%台ならば許容範囲かと思います。しかし50%台後半というのは、かなり頻繁に四球を出しており、ストライクを取るのも四苦八苦していたのだと考えられます。
三振25個で、1イニングあたりの奪三振は 0.69個 と平均強ぐらいの数字です。先発ならば0.8個以上、リリーフでは0.9個以上取れるぐらいじゃないと決め手に欠けるだけに、その点ではやはり三振の取れるほどの変化球がなかったことがわかります。またストレートは滅法速いのですが、球威型なのであまり空振りは誘えない傾向にあったと考えられます。
被安打の少なさは大変優秀ですが、そのぶん四死球で余計なランナーを出していました。けして走者を背負ってからも三振比率が高い選手ではないので、絶対的な投球ができなかったことがわかります。まだまだ一軍でやるのには、力不足だったということではないのでしょうか。
ことルーキーとしては、及第点の内容だったと思います。ファームで力を示せた一方で、一軍では戦力になれませんでした。四死球を減らしつつ三振の取れる球を磨くといったことができるようになると、また1人ソフトバンク投手陣に凄い選手が加わることになりそうです。今年の経験が、来年に活きると良いのですが。
蔵の印象:△ (大方想定の範囲内だった)

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