弓削 隼人(楽天4位)投手 (SUBARU出身)
蔵の入団前評価:☆ (下位指名級)
193センチ105キロという破格のサイズの左腕でありながら、ボールがナチュラルに動くクセ球で、日本人には今まであまりいなかったタイプ。それでいて意外に実戦的な部分があり、「野球太郎」では ハマれば 新人王候補 といって紹介した選手です(その割に評価低いじゃないか)。
そんな弓削選手の一年目は、
一軍で 8試合 3勝3敗 防 3.74 。
二軍では、10試合 3勝0敗 防 2.93 という成績でした。
4月から一軍で先発起用された割に、全体に順調さを欠いたのか? 登板数が少ないのは気になります。それでも後半戦に再昇格を果たすと、6試合の先発で3勝をあげ存在感を示した。
もう少し一軍の成績を細かく見てみると、40イニングで31安打と被安打率は77.5%と優秀です。やはりあの巨体から投げ込む動く球に、一軍の打者でも苦労したことがわかります。ちなみに一軍の被安打の目安は90%以下。80%以下では、かなり優秀だと言えます。それだけボールは、一軍の打者相手でも通用したということなのでしょう。
しかし四死球は20個あり、投球回数に対し50%。社会人時代は荒れ球でも四死球は少なく、余計な走者を出さないところを評価したものの、この数字は頂けない。四死球率の目安は、一軍ならば30%台。三振が多いなり被安打が少ないなどのボールの威力があるのならば、40%台ぐらいまでは許容範囲か。まぁその点では、微妙なレベルまでには来ていたのだが。
奪三振26個で、1イニングあたり0.65個と平均的。社会人では、スリークォーターながらフォークのような縦の変化球で結構三振を奪っていたものの、あまり三振が取れていないのは気になる材料。目安は、先発ならば1イニングあたり0.8個以上ないと、決め手があるとは言えない。
ちなみにこのフォーク自体の空振り率はプロでも低くなかったのですが、三振自体はストレートで。空振り率は、スライダーが一番高い数字だったようだ。甘く入ったカーブ・スライダーが打たれるケースが多いようなので、この辺の変化球の精度を高めるのが、今後の課題ではないのだろうか。
打ち難さを全面に出すことはできたものの、四死球で余計なランナーを出しながら、三振であまり仕留められなかったのが痛かったというところか。ドラフト4位の投手が、一軍で存在感を示せた点では合格ライン。この経験を、いかに来年につなげて行けるかではないのだろうか。
蔵の印象:◯ (成績以上にインパクトは残せた)

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