吉田 大成(ヤクルト8位)遊撃 (明治安田生命出身)
蔵の評価:指名見送り
小技のきくプレースタイルと、守備力の高さが光る遊撃手。しかし打撃はひ弱で、この部分で物足りなさが残り、指名リストには入れませんでした。
そんな吉田選手の一年目は、
一軍で 13試合(32打数) 0本 2点 1盗(1失) 打率.188厘 と、大卒社会人ですが、即戦力というまでには至りませんでした。
二軍では 101試合(294打数) 4本 31打点 10盗(8失) 打率.238厘 という内容でした。
一二軍合計で、114試合に326打数を無事経験できた点は評価できます。完成度の高い大卒社会人にしては、一軍でもう少しやって欲しかった部分はあります。大卒野手の二軍でのルーキーイヤーの基準となるのが、打率2割5分のライン。それを社会人を経由しても、.238厘だったことを考えると、やはり打力で見劣るという評価は誤りではなかった気がします。
盗塁も10盗塁を決めていますが、失敗も8個。盗塁成功率は、55.6%とイマイチ。アマ時代の寸評にも書いたように(氏名をクリックすると無料で見られます)、走力はあるものの、絶対的なものがないのでは?と言いたとおりで、今後は成功率70%以上を目指して欲しいところです。
守備では、二塁で10試合(守備率.970厘)、遊撃で85試合(守備率.966厘)、三塁で9試合(守備率1.000厘)と起用されました。二塁手として信頼できるのは.980厘以上、遊撃手だと.970厘以上が目安となりますから、自慢の守備も安定感という意味ではまだ一軍レベルではないのかもしれません。もう少しやれるかなと思っていたのですが、このへんは少し残念でした。守備が売りの選手だけに、2年目以降精度を引き上げてプレーして欲しいところです。
二軍での打撃成績をもう少し詳しく観てみると、294打数で63三振。三振比率は、21.4%。いつも言うように、一軍への目安は20%以下。特にコツコツ当てて嫌らしいタイプの選手だけに、この数字はぜひクリアしたいところ。それだけ思ったようには振ったバットがボールを捉えられなかったか、思わず良いところに投げ込まれて、手も足も出せなかったということを意味していることになるので。
四死球は48個で、四死球率は 16.3% 。これは10%以上が目安であり、15%以上というのは、かなり優秀です。それだけボールをしっかり見極められており、出塁率も.341厘と打率の低さを補うことができていました。
ボールは見えていたけれど、技術が未熟で当たらなかったということ。しかし技術的に改善できれば、数字を引き上げることも期待できるという見方もできます。
ことルーキーイヤーとしては、及第点ではないかと思います。大卒社会人出身やプレースタイルの割には数字が物足りないものの、ドラフト8位での入団を考えればこんなものかと。特に、出塁率の高さは評価できるポイントだったのではないかと思います。2年目以降の、飛躍に期待したいところです。
蔵の印象:△ (いかに技術に繋げられるか)

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