宮城 大弥(オリックス1位)投手 (興南出身)
蔵の入団前評価:☆☆☆ (上位指名級)
中学時代からU−15で活躍していた選手で、甲子園でも1年夏から活躍してきた全国でお馴染みの左腕でした。しかし、ただの早熟投手とは違い、最終学年でも球速を増すなど、確かな成長を魅せたことで上位指名候補と位置づけられました。高卒選手でも、限りなく大学・社会人の選手と比較できるだけの完成度とボールの威力を持っていました。
そんな宮城投手は、一年目から一軍のマウンドに上がります。
3試合に 1勝1敗 防 3.94 と、プロ初勝利を記録。一軍がどんなところなのか、肌で感じることができた一年ではなかったのでしょうか。また二軍では、
13試合 6勝2敗 防 2.72 の好成績をあげ、単に高卒投手に一軍の景色を魅せるというだけの起用ではなかったようです。
二軍の成績をもう少し詳しく観てみると、59回2/3イニングで被安打は51本。被安打率は、85.6% でした。いつも言うように、一軍を意識するのであれば80%台・一軍定着を狙うのならば70%台が一つ目安になります。そう考えると、高卒ルーキーとしては優秀ですが、まだ一軍に定着できるほど圧倒的ではなかったことがわかります。
四死球は24個で、四死球率は 40.3% 。これも投球回数の1/3(33.3%)以下が目安であり、ボールに威力があるのであれば、30%台までが許容範囲ではないかと。その点でも、若干まだ細かいコントロールに課題を残すことがわかります。
奪三振は49個であり、1イニングあたりの奪三振数は 0.82個。これは、先発だと0.8個以上が決め手があるといえ、リリーフならば0.9個以上が目安です。主に先発で起用されていたようなので、この点は合格ラインではないかと。防御率 2.72 も、合格ラインですが、一軍と二軍では防御率で1点以上の差はあるもの。
一軍で先発投手ならば、防御率 3.50以内。リリーフならば2点台が一つ信頼できる投手の目安だと言えますので、まだ昨年の時点では、一軍に定着するのには、全ての部分でやや物足りなかったことが伺えます。
氏名をクリックして頂けると高校時代の寸評が読めるようになっておりますが、そこでも書いたように、完成度の高い投手だけに、どれだけ伸び代を残しているのか? そういった部分で、2年目以降の成長次第といった感じがします。高卒ルーキーとしては順調過ぎる一年目でしたが、2年目以降伸び悩まないことを祈ります。まずは、合格点のルーキーイヤーだったのではないのでしょうか。
蔵の印象:◯ (今後の成長力が鍵)

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