佐藤 都志也(ロッテ2位)捕手 (東洋大出身)
蔵の入団前評価:☆☆☆ (上位指名級)
元々あまり捕手っぽいプレーをする選手ではなかったのですが、捕ってからが素早く強肩ぶりを活かした見事な送球の選手でした。外野を守れば、空中でグイッとひと伸びして伸びてきてプロでも上位クラスでしょう。また走力も基準以上のものがあり、何より「打てる捕手」という魅力を兼備していたのが特徴。ただし打力と身体能力の高さからも、将来的には捕手よりも他のポジションでの可能性の方が大きいかもしれないとみていました。
そんな佐藤選手の一年目は、一軍では
60試合(114打数) 2本 12点 0盗(0失)打率.228厘 ということで、一軍でも一定の経験を積めました。ちなみに一軍での出場は、すべて捕手として28試合に出ていました。一方
二軍では、6試合(11打数) 1本 3点 2盗(0失) 打率.273厘 であり、一軍に長く帯同していたことがわかります。
成績をもう少し細かく観てみると、一二軍合わせて・66試合 はともかく、125打数は少々少ない気がします。一軍の戦いの中にいれたというのは良い経験とはなったと思いますが、実戦経験が不足し出たり出なかったりというのは、一年目の選手としてはどうでしょうか? むしろ外野でも良かったので、もう少し実戦経験を積んでゲーム感覚を磨いて欲しかった気がします。
プロ入り後のプレーをあまり確認できていないのですが、元々動きが捕手らしくない選手だっただけに、プロ入り後の変化は気になります。それだけブルペンなどで、できるだけ多くの一軍選手の球を捕ったり、コミュニケーションを図ってきたということだろうか?
114打数で三振は25個で、三振比率は 21.9%。まぁ一軍での成績ということを考えると許容範囲だとは思うが、まだまだ振ったバットがなかなかボールを捉えられなかった。そのことが、打率.228厘と物足りない数字で終わった要因でしょうか。
四死球は11個で、四死球率は9.6% 。これは、10%を越えて来ると合格ラインだと思いますが、それほど悪い成績ではありません。それだけ、ボールはある程度一軍の投手の球でも見えていたということなのでしょう。上記の氏名をクリックしていただけると、アマ時代の寸評が閲覧できるようになっているのですが、大学時代からボールを見極める「眼」の良さは褒めていました。そういった意味では、そのへんは一軍レベルにあったのではないかと。
ということは、ボールはある程度見えていたものの、技術的にまだ未熟で捉えきれなかったということになります。まぁこの辺は、一年間一軍の投手を観たことで、2年目以降どう生かされるかだと思います。
ただし、この選手の一番の問題は、どのように起用すれば良いのかといった部分。ロッテの場合、田村という正捕手がいて、柿沼も控えとして存在する。第三の捕手や代打・代走あたりを今年も続けてゆくとなると、中途半端なまま行ってしまう恐れはあります。外野でも良いので、ある程度もっと実戦で使ってゆくのかは難しい判断になりそうです。それでも起用されるためには、まず打力のアップが不可欠です。
ことルーキーとしては、けして即戦力というよりも期待込みでの起用の部分も大きかったのではないかと。それでもルーキーながら、一軍で多くものをシーズン通して吸収できたことは、ポジションもポジションだけに合格点の評価をしても良いのではないかと感じました。今後の飛躍に、期待を持たせてくれる一年だったのではないかと。
蔵の印象:◯ (一年目の経験を2年目にどう活かすか?)

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