太田 龍(巨人2位)投手 (JR東日本出身)
蔵の入団前評価:☆☆☆(上位指名級)
鹿児島のれいめい高校時代から、上位候補と目されてきた豪腕です。高校からJR東日本に進みましたが、素材の良さはあったものの、まだ絶対的な存在ではありませんでした。そのため、半即戦力という感じで、もし一軍で活躍するのであれば、リリーフからではないかとみていました。
そんな大田選手ですが、一年目は一軍での登板は無し。
二軍では、17試合 5勝6敗0S 防 4.08 という内容に。大きく育てようと先発で起用していたようですが、個人的には縦の変化を活かしたリリーフ向きではないかと感じます。
もう少し成績を細かく観てみると、90回1/3イニングで、被安打は104本と完全に投球回数を上回っています。これは、彼のボールの威力がなかったわけではなく、球威で詰まらせる球質も、空振りが取れなかったり甘く入った球を打ち返されやすかったりと総合力でまだ二軍の打者相手でも苦しかったのだろうということ。
四死球は29個で、四死球率は 32.1% 。四死球率はの目安は、投球回の1/3以下(33.3%)。コントロールが悪くて、失点に結びついたというわけではなかったことがわかります。四死球に関しては、合格レベルだったということ。
奪三振は60個で、1イニングあたり0.66個と平凡。先発投手の目安は、1イニングあたり0.8個以上です。そういった意味では、自慢の縦の変化が、プロの打者相手にはあまり通用していないことが伺われます。
けしてコントロールで自滅したわけではないのですが、打ち返されてしまうことが多く出塁させてしまったランナーが、失点に結びついてしまったということなのでしょう。被安打や四死球が多い選手が、得点に結びつけさせないためには、やはり三振が取れることが重要なので。そのため、防御率が 4.08 と、二軍でも平凡な成績になってしまった要因です。
なかなか球質を良化させることは難しいと思うのですが、「着地」までの粘りをもう少し改善し、「開き」の早いフォームを変えて行けないと厳しいのではないかと。ボールが見やすいので、合わされやすいだけでなく、自慢の縦の変化をプロの打者は見極められていたと考えられます。
元々即戦力としては厳しいとは観ていましたが、まさか一年間通じて一軍に全く上がって来ないとは思いませんでした。ただしファームの内容を見る限り、それも頷けるところではあります。二年目の今年は、この辺をどう改善してゆくのか? こと社会人出のルーキーとしては、少々残念な一年目だったのではないのでしょうか。
蔵の印象:✕ (2年目に上積みできるかは微妙)

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