伊勢 大夢(DeNA3位)投手 (明治大出身)
蔵の入団前評価:☆ (下位指名級)
ボールの勢いは充分に中位(3位〜5位)クラスのものはあったものの、変化球に特徴がなかったのと、結構いる時といない時期などがあり、調子に波があるのではないかと危惧していました。そのため、私自身の評価はさほど高いものではありませんでした。割合似たタイプには、津留崎 大成(慶応大-楽天3位)や、津森 宥紀(東北福祉大-ソフトバンク3位)などがおり、誰を選択するのか・そして結果はどうなるのか興味深いものがありました。
伊勢投手の一年目は、
一軍で 33試合 3勝1敗7H 防 1.80 と、成績的には彼が一番数字が良かったことになります。正直個人的には、ここまでの数字を残せるとは思っていませんでした。またプロ入り後は、あまり特徴がなかった変化球にも磨きがかかり、マウンドでも落ち着いて自分の投球ができるなど、アマ時代よりも印象は良くなったのは確かです。
数字をもう少し詳しく見てみると、35イニングを投げて被安打は28本。被安打率は、80%と優秀です。いつも書きますが、一軍の被安打の目安は80%台であれば合格点。その点では、総合力で一軍の打者相手でも見劣りしなかったことが伺えます。
四死球は15個で、四死球率は42.9%。いつも言うように、投球回数の1/3(33.3%)以下が目安ですが、一軍であれば30%台であれば合格点です。その点では、やはり、若干アバウトな部分はあろうかと。実際防御率は優秀なのですが、先頭打者を出塁させてしまい雲行きが悪くなると、先輩のリリーフ投手に交代して救われた場面が結構ありました。そのため、この防御率も数字ほどの内容ではなかったように感じます。また、これだけの安定感があれば勝ちパターンでも使えそうなものですが、そういった信頼感はありませんでした。
ただし、奪三振は39個と投球回数を上回っています。それだけボールの威力は、一軍レベルでも充分通用した証だと言えます。多少制球がアバウトだったり、ムラのあるところを先輩の助けや自ら三振が奪える能力で切り抜けていたと言えるのではないのでしょうか。
信頼できるリリーフの目安は、防御率2点台。多少この成績が数字ほどではなかったとしても、充分にルーキーとしては合格点だったと思います。2年目の今年は、勝ちパターンでも起用されるぐらいの信頼を、首脳陣から得て欲しいものです。リリーフ陣においては、一年目から貴重な役割を果たしたと評価できます。私の評価以上に、やってくれたのではないのでしょうか。
蔵の印象:◯ (今年は勝ちパターンでも)

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