韮沢 雄也(広島4位)遊撃 (花咲徳栄出身)
蔵の入団前評価:☆☆ (中位指名級)
非凡な打撃センスがあり、その点を高く評価した選手です。ショートとしては球際に強く、肩も良かったのですが、守備範囲なども考えるとプロでのショートはどうかな?と思える部分はありました。詳しくは、上記の氏名をクリックして頂けると、当時のレポートが自由に読めるようになっておりますので、そちらを参考にしてくださいませ。
そんな韮沢選手の一年目は、一軍での出場は無し。
二軍では、68試合(218打数) 0本 13点 1盗(4失) 打率.229厘 といった内容に。まず、とりあえず 68試合・218打数の経験を積めたことは及第点。そして、高卒野手の目安である、打率2割越えも達成しており、その点も一定の評価はできます。
この手の好打者タイプにしては、走力はあまりないことは高校時代でも触れておりました。その点では、1盗塁(4失敗)は想定の範囲内かと。守備では、二塁手として45試合(守備率.968厘)、遊撃手としては19試合で(守備率.975厘)、三塁手としては、7試合で(守備率.818厘)といった内容に。不慣れであまりタイプ的にもあってなかった三塁の成績は致し方ないでしょう。セカンドとしては、守備率.980厘ぐらいが一流の目安ですが、高卒ルーキーで.968厘は悪くありません。ショートの場合、.970厘以上が目安ですが、.975厘と安定感という意味では合格ラインです。球際に強く安定感はあった選手なので、そのへんが良い感じに出たのかなと思います。あとは、守備率では伺い知れない守備範囲などはどうだったのかな?といった部分は気になります。
打撃成績をもう少し詳しく見てみると、218打数で30三振。三振比率は、13.8%と極めて低いことがわかります。いつも書くように三振比率の目安は20%以内なのですが、15%以下となると相当高い数字です。それだけ振ったバットが、思い通りボールを捉えられる技術があったということ。
逆に四死球は14個で、四死球率は6.4%というのはかなり低い数字です。彼の場合ボールが見えなかったというよりも、積極的に早いカウントから打ちに行った結果ではないかとは思います。しかし、打率が.229厘と高くないだけに、判断は難しい部分はあります。
しかしこういった好打者タイプだけに、出塁率は上げてゆかないと行けない。ある程度、ボールの見極めも必要なこと。まして当てる技術は高いことを考えると、そこまで早いカウントから打ちにゆくことにこだわらなくても良いのではないかといった気はします。
三振比率の低さとショートとしての安定感には一定の評価ができますが、出塁率の低さや走力の無さなども考えると、一年目は及第点だったのかなと思います。ただし、この三振比率の数字が本物ならば、2年目以降成績を引き上げて来る可能性は、充分期待できるといえるのではないのでしょうか。
蔵の印象:△ (残した成績以上に将来は明るい)

5