川野 涼多(西武4位)遊撃 (九州学院出身)
蔵の入団前評価:指名見送り
走力に関してはあまり良くわからなかったのだが、プロでもニ遊間で勝負できそうな守備力が売りの選手でした。しかしスイングはまだ弱々しく、プロ入りの旬だとは判断せずに、指名見送りの評価としました。
そんな川野選手の一年目は、一軍出場は無し。
二軍では、58試合(149打数) 3本 12点 3盗(5失) 打率.242厘 といった数字に。プロ・アマ交流戦など、あまり公式戦以外の試合を組めていないチームだけに、200打数に満たなかったのはあまり経験が積ませられたのかなと思える部分も。
しかし、打率.242厘は、高卒野手の目安である打率2割越えを大きく上回る数字。この打数の少なさでも、3本塁打でパンチ力があることにも驚かされます。元々、右打席には長打力は感じてはいたのですが・・・(詳しくは氏名をクリックすると高校時代の寸評が自由に読めるようになっております)。
3盗塁(5失敗)の盗塁は、正確なタイムは計測できなかったものの、高校時代はあまり積極的に盗塁を仕掛けていなかった選手だけに想定内かと。守備位置をみると、57試合全て遊撃での出場で、9失策・守備率.961厘 といった内容に。ショートをさせるために獲ったのだという、球団の明確な意志が感じられます。そしてショートの守備率の目安ですが、.970厘以上あれば安心して観ていられるショートだと評価できます。その基準は満たしいませんが、高卒ルーキーとしては悪い数字ではありません。さらに1、2年、ファームで漬け込めば、守備でもアピールできても不思議ではない安定感は示せています。ただし、高校時代プロのショートとしては肩がどうか?といった部分は、少々気になる材料ではありますが。
打撃をもう少し詳しく観てみると、149打数で43三振。三振比率は、28.9%と昇りました。三振比率の目安は、一軍を意識するのであれば20%以下には留めたいところ。それだけ振ったバットが、なかなかボールを捉えられなかったということでしょう。
また四死球は21個で、四死球率は 14.1% 。四死球率の目安は、10%以上なので、この点では大変ボールを良く見極められていたことがわかります。打率.242厘の打率でも、出塁率を.333厘まで引き上げることができまた。
現状は、プロのスピードでもボールはかなり見えていたけれど、まだ技術が未熟で思いどおりにバットに当たらなかったということだとは思います。それでも高卒ルーキーとして、三振比率もそこまで高くないですし、打率や四死球率の高さからも、全く通用しなかったというわけではなかった。少なくても、私が高校時代に思っていた以上に対応できてしまったのは、私の見込みが甘かったのかもしれません。
守備・打撃ともに、一軍を意識するまでにはまだ数年かかりそうですが、こと高卒ルーキーとしては合格点であり、今後の飛躍が期待できるかもと思わせてくれる一年目だったと評価できます。
蔵の印象:◯ (私の見立て以上に対応できた)

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