小川 一平(阪神6位)投手 (東海大九州出身)
蔵の入団前評価:未確認
横須賀工業時代は、神奈川でも知る人ぞ知る存在だったらしいのですが、私自身地元の選手でしたがよく知りませんでした。彼の存在を知ったのは、下級生の時に出場した大学選手権の時。九州の大学なのに、神奈川の球児が140キロ台中盤のボールを連発していたことで記憶に残っていました。しかし、最終学年での登板は動画で一部見ただけで、評価付けできるほどのものではありませんでした。
そんな小川投手の一年目ですが、
1軍でも21試合 0勝0敗 防 4.71 といった内容でした。逆にファームでは、
7試合 1勝0敗 防 1.13 と一軍での登板の方が多かったことがわかります。
一軍での成績をもう少し詳しくみてみると、21イニングで28安打と、投球回数を上回るヒットを打たれています。一軍での被安打の目安は、投球回数に対し90%以下ぐらいなので、やはりこれでは多すぎる。少なくても総合力では、一軍の打者相手だとまだ苦しかったことが伺えます。
四死球は15個で、四死球率は71.4%にのぼります。一軍ですから、投球回数の1/3以下とは言わなくても、悪くても40%台ぐらいにはこの数字を抑えたいところ。またこの40%台が許されるのは、奪三振比率が高いことが条件になります。そう考えると三振は18個で、1イニングあたり0.86個 と、リリーフの基準である0.9個以上に、かなり近い水準にはありました。被安打・四死球が多くても、なんとか防御率 4.71 で留められたのも、ある程度三振を取れることで失点に結びつき難かったことが伺えます。
それでも、信頼できるリリーフ投手の防御率とは2点台。ビハインド要員だとしても3.50以内じゃないと正直厳しいです。この数字でも一軍に置かれていたのは、ルーキーゆえの期待値と、根本的に阪神のリリーフ陣の頭数が足りなかったからということなのでしょう。
ドラフト6位のルーキーとしては、一年目から一軍で多くの試合を経験できたことは大きな収穫。また、首脳陣に一軍においておきたいと思わせるものがあったということは評価できます。しかし数字の中身から判断すると、まだ一軍で起用するのには実力不足だったのでは? と思えるものがあります。この起用が、2年目以降に生きると良いのですが ・・・ 。ことルーキーイヤーとしては、及第点の一年目ではなかったのでしょうか。
蔵の印象:△ (まだ内容が一軍では苦しかった)

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