大下 誠一郎(オリックス育成)左翼 (白鴎大出身)
蔵の入団前評価:☆ (下位指名級)
打撃に関しては、充分プロ級だと評していました。守備も左翼手でしたが、高校時代はショート守っていた選手でもあり、三塁あたりもこなせる能力があるのではないかと。気持ちの強さも感じられるのですが、爆発力があるぶん持続力に欠けるところがある。そういった意味では、集中力が瞬間的に高まる代打などで持ち味が発揮されるタイプではないか評価しました。育成6位での指名でしたが、個人的には
☆ を付けた選手です。
そんな大下選手は、1年目から支配下を勝ち取ります。
一軍でも、32試合(88打数) 2本 9点 0盗(1失) 打率.216厘 と成績に。
二軍では、58試合(178打数) 2本 21点 1盗(1失) 打率.219厘 と内容で、あまり一軍と二軍の成績に、差がありませんでした。
一二軍合わせて90試合(266打数)を経験し、育成枠で入った野手にしては、多くの出番を得たことがわかります。大卒野手の1年目の目安は、二軍で2割5分以上なので、その点ではやや物足りない数字だったことがわかります。元々長距離打者というよりは、勝負強さや打球の速さが売りでした。それでも打席の割に、本塁打が少ないかなといった印象は受けます。
興味深いのは、大学時代外野手だったものの、プロでは内野手になっていたこと。一塁手として26試合(守備率1.000厘)。三塁手としても41試合(守備率.962厘)で、外野手としては1試合も出場しておりません。三塁手は、内野手全部のポジションの中で最も守備率が低くなるので、.960厘以上残せれば合格点が与えられるでしょう。ちなみに遊撃手は、.970厘以上、二塁手ならば.980厘以上残せるようだと、ミスは少なく信頼できる守備力があったと言えます。その点で多くの出場を果たしたのは、この守備力も大きかったのではないのでしょうか。ちなみに盗塁が1個というのは、足はプロの中でも平均よりやや劣るぐらいだったので、こんなものだったかと思います。ちなみに大学時代5盗塁を記録したシーズンもあるので、環境に慣れたらもう少し走って来るかもしれません。
二軍の打撃成績をもう少し詳しく見てみると、178打数で25三振。三振比率は、14.0%とかなり低く抑えられています。いつも書くように、一軍を意識するのであれば、20%以下に三振比率を抑えたいところ。そういった意味では、振ったバットがイメージどおりに当てることはできていたということかと。
四死球25個で、四死球率も同じ14.0%。こちらは、10%以上が目安であり、ボールもしっかり見極められていた。すなわちボールは見えていたし、ボールも当てることができていた。それでも打率が.219厘だったということは、ボールを捉えてからの技術や、打ち返すまでの筋力やヘッドスピードに問題があったということでしょうか? しかし、非常にパワフルな選手なだけに、極端に力が見劣りしたとは思えません。
そうなると、しっかりフェアゾーンに飛ばして結果にまで結びつけるまでの技術に課題を残していたことになります。2年目の今年も、二軍ではここまで 32試合 0本 4点 打率.247厘 と、多少の確実性は増したものの大きくは変わっていないようです。
こと1年目としては、支配下を勝ち取ったこと。多くの経験を積めたなどの、首脳陣の期待の高さが伺えます。しかし、それに応えるだけの数字は、残せなかったという感じでしょうか。ルーキーイヤーとしては、及第点の1年目だったと評価します。
蔵の印象:△ (あとは結果を残すのみ)

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