高橋 宏斗(中日1位)投手 (中京大中京出身)
蔵の入団前評価:☆☆☆☆☆(1位指名級)
外角一杯に決まった時の真っすぐの爽快感と、ここぞの場面での底から湧き上がるような馬力。変化球やマウンドさばきも良く、歴代の高校生投手の良さを継承している投手として、最高評価をした選手でした。
そんな高橋投手の一年目は、高卒ルーキーということで一軍登板無し。
二軍では、14試合に登板し、0勝5敗 防 7.01 と、正直ここまで通用しないとは全くの想定外でした。少しファームで彼の投げているボールなどを観ていても、そこまで悲観する内容ではないように見えたのですが ・・・ 。
二軍成績をもう少し詳しく観てみると、34回2/3イニングを投げて、被安打は51本、投球回数を遥かに上回ります。すなわち、真っ直ぐが来るなと待ち構えられており、その球がくれば打ち損じられることなく、プロの打者に捉えられていたのではないかと。
四死球に関しては12個で、四死球率は 34.6% と、極端に悪くありません。確かに基準は投球回数の1/3(33.3%)以下ではありますが、四死球で自滅するような危うさではなかったはずです。決まって欲しいときにストライクが取れなかったり、ストライクゾーンの枠の中で甘くなって打たれてしまった、そんなアバウトさが残ったということでしょうか?
奪三振も23個に留まり、1イニングあたり 0.66個 と平凡な数字に留まります。被安打や四死球が多く出塁を許しても、三振が多く取れる選手は意外に失点を少なく抑えることができます。それが、現時点での彼ではできなかったということでしょう。
全てのファクターで、基準を下回っており、防御率が7点台だったのも致し方なかったということだと思います。一番の改善の近道は、ボール自体の走りは一定レベルあると思われるので、三振が取れるようになることで、投球内容も変わってくるのではないかと感じられます。
高校時代の寸評(上記の氏名をクリックすると当時の寸評が無料で読めます)をみると、制球の危うさと、合わされやすいフォームであることも把握していました。それでも、彼の馬力でアマ時代は圧倒できたのですが、プロではそれができなかったことが伺えます。
体格的にそれほど肉体余力や上積みが望めるかは微妙なだけに、これからは技術的な部分で改善してゆかないと、同じことを繰り返す恐れがあります。ことルーキーイヤーとしては、残念な一年であったとは思います。しかし、ある程度の経験を実戦で積めたことは、一定の評価をしても良いのではないかと。あとは、この経験をいかに来年以降に活かせるかではないのでしょうか。
蔵の印象:△ (成績は残念だが経験は積めた)

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