大道 温貴(広島3位)投手 (八戸学院大出身)
蔵の入団前評価:☆☆☆(上位指名級)
春日部共栄時代から、スラッとした体型で滑らかな体重移動で投げ込む正統派。しかし、まだ体の芯が弱く、センスで投げている感じでした。それが、八戸学院大の最終学年では、かなり本格化した感じでした。特に最後に生でみた、4年秋の神宮大会東北代表決定戦では、神ピッチングでした。それでも、一年ぐらいファームで漬け込めば素晴らしい先発投手になるのではないかと見ていました。
しかし、そんな大道投手ですが、一年目から中継ぎでガンガンと使われてしまいます。一年目から一軍で
24試合 4勝4敗3H 防 4.75 。
二軍では、7試合 2勝1敗 防 6.92 といった内容でした。
キャンプ・オープン戦ととばし、開幕一軍入りへ。リリーフ投手として積極的に起用されるも、私の心配どおり基礎体力不足からフォームを崩し失速しました。ただし、フォームを修正し、秋のフェニックスリーグでは先発して素晴らしいピッチングを披露。元来この投手は、先発の方があっていると思われます。
そんな大道投手の成績をもう少し詳しくみてみると、52イニングで被安打は50本。被安打率は、94.3% 。一軍の被安打率の目安は、90%以下なので、やや多い数字。ただ、状態自体が急激に悪化したためで、好調を持続できていれば、この数字は充分クリアできたと思われます。
四死球は27個で、四死球率は50.9%と多め。基本は、一軍なら40%以内。三振が多く取れる選手であれば、40%台が許容範囲でしょうか。大学時代のベストピッチングではないかと思われる投球を見ても、まだ本当のコントロール無さや立ち上がりの乱れなどが感じられたので、この数字は想定の範囲かと。
また三振は35個であり、1イニングあたり0.67個と平凡です。良いブレーキのスライダーこそこの選手の生命線ですが、プロの打者相手にはけして三振が多く奪えたとは言えません。このへんは、プラスαの変化球が今後求められます。リリーフならば、0.9個以上の奪三振が、基準となってきますので。
私の心配をよそに、チームが早めに使ってしまったのが裏目に出た形です。ただし、実戦登板という意味では、途中で調子を崩したことで、結果的に多くの登板数をこなさないで済んだのは大きかったです。そのおかげでうまくフォームを取り戻し、秋のフェニックスリーグでの登板に繋がったのではないかと。
一軍の緊迫した場面を経験できたことも大きいでしょうし、疲労を上手く溜め込まないで済んだとしたら、今季は先発として期待したいところです。どのぐらい技術や体力を高められたかはわかりませんが、先発入りへの可能性が広がります。ことルーキーとしては、数字よりもインパクトを関係者に残せたのではないのでしょうか。満足のゆく成績ではありませんでしたが、今後の可能性を感じさせてくれた1年目だったと評価できます。
蔵の印象:△ (数字よりも希望の求める内容だった)

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