中山 礼都(巨人3位)遊撃 (中京大中京出身)
蔵の入団前評価:☆☆ (中位指名級)
非常に今どきの選手にしては、ギラギラしたものを感じさせる選手でした。打てる球打てない球はハッキリしていましたが、ボールに喰らいつく姿勢は素晴らしいです。遊撃守備も、それなりのものがありました。
そんな中山選手の一年目は、
44試合(165打数) 0本 12点 4盗(5失)打率.309厘 を記録。最初は三軍での出場が中心だったのかもしれませんが、すでに巨人の三軍成績が消えてしまっているので、そのへんはよくわかりません。
二軍での打数はやや少なめなのですが、高卒ルーキーながら打率.309厘は破格です。結構粗い部分もあった選手なので、想像以上に対応できていることに驚きました。
逆に、本塁打0本なのはちょっと意外。適度なパンチ力もあるとみていたので、数本はホームランが出そうなものですが。一方で、4盗塁5失敗の走塁は、こんなものなのかと。ちなみに守備では、二塁で8試合(守備率1.000厘)、三塁で3試合(守備率.667厘)、遊撃で33試合(守備率.964厘)といった内容。高校球界屈指の守備率といわれた土田のショートの守備率が.962厘 ですから、安定感という意味ではほぼ変わらない結果に終わりました。もちろん守備率だけでは比較はできませんが、守備でも想像以上にやれた感じはします。ちなみに、信頼できる遊撃手の守備率は、.970厘以上がひとつ目安になります。
打撃成績をもう少し詳しくみてみると、165打数で三振は24個。三振比率は、14.5% と極めて優秀な成績です。いつもいうように、一軍を意識するのであれば、三振比率は20%以下が望ましい。それを15%以内というのは、かなり振ったバットがイメージどおりに、ボールを捉えられていたのかと。
また四死球9個で、四死球率は 5.5% とこれはかなり低い。四死球率の目安は10%以上と書いているように、平均だと7,8%ぐらいです。ただし、これはボールが見えず見極められなかったのではなく、早いカウントから甘い球を積極的に捉えに行ったからでしょう。だからこその、打率3割越えだったと考えられるので、あまり問題は無さそうです。ただし、打率の割に出塁率は.345厘 とそこまで高くないことがわかります。
数字の上から判断できるのは極めて高い対応力と、想像以上の守備の安定感を示せたということ。そういった部分は、チーム内でもかなり高く評価されているみたいで、ポスト・坂本勇人 を最も意識できる存在と認知されているようです。
このままどんどんスター街道にのし上がって行けるかは今年次第だとは思いますが、その可能性を充分に感じさせるルーキーイヤーでした。一気に一軍に顔を出すシーズンになるかもしれませんが、常識的には二軍で一年間やって、守備や走塁などもワンランク引き上げてから、来年のレギュラー獲りを目指すというのが、常識的な成長曲線になろうかと思います。
蔵の印象:◯(想像以上の内容で充分合格点)

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