「2015年ルーキー回顧16 加藤 貴之(かずさマジック)投手」
状況説明
加藤 貴之(日ハム2位)投手 (かずさマジック出身)
蔵の入団前評価:☆☆☆
前年のドラフトでプロ入り希望だったならば、上位指名確実だった選手。特にあの年は、1年目から先発ローテーションに入れそうな左腕がこの加藤ぐらいしかおらず、プロ入りするのならば前年だったのではないかという気はする。まだチームにやり残したことはあると残留したものの、思ったほどの成績はあげられず、やや評価を下げてのプロ入りだった感は否めない。それでも日ハムは、それほどその年の成績によって評価を変えない球団なので、らしい指名といえば指名だった。
そんな加藤だが、1年目から先発入りを経験。
30試合 7勝3敗 防御率 3.45 という好成績を残す。ルーキーながら一軍ローテーションに加わり7勝をマークし、信頼できる先発投手の目安である防御率 3.50以内もクリア。貯金4つを残したことは、高く評価できるポイントではないのだろうか。
もう少し成績を詳しくみると、91回1/3イニングで91安打と、ほぼイニングと同数とやや多い。これは、非常にタイミングをとり難いはずの彼のフォームでもこれだけの被安打を浴びていたということは、やはり一軍の打者相手だと、やや球威・球速の点で物足りなかったからだろう。被安打率は、一軍の場合イニングに対し90%以下が目安となる。ちなみにアマ時代で同様のファクターでは、被安打率は66.7%と大きく35%近く上昇している。
四死球34個であり、四死球率は37.2%。いつも言うよりに四死球率は、イニングの1/3(33.3%)以下が一つ制球の目安となる。それほど悪い数字ではないが、あまり細かい制球力はなく、ストライクゾーンに集めることが重視されている結果ではないのだろうか。もうワンランク上の精度を、来年は期待したい。またアマ時代の四死球率は、24.1%だからこれも10%以上上昇。
奪三振は64個であり、1イニングあたり0.7個。一つ平均が0.65個ぐらいだと考えると若干多めぐらいか。決め手があるという目安は、先発で0.8個以上の割合で奪いたい。そう考えると打者を仕留めきるほどのボールには、やや欠けていたことがわかる。しかしアマ時代の奪三振率は、0.72個であるのでここはあまり変わっていない。
防御率に関してはプロでは3.45の防御率だったが、アマでは1.24であり、2点以上アマ時代よりも上昇している。ちなみにもう少しデータ集積してゆけば、プロと社会人のレベル差はわかってきそうだ。
話はそれたが、2年目以降もこの成績、チームでの位置づけを維持・向上できるのか? その辺については、何処まで上積みが残っているのかには疑問が残る。ことドラフト2位の即戦力候補としては、充分な成績だったと評価できるだろう。
蔵の印象:◎ (1年目としては充分な結果に)

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