石塚 綜一郎(ソフトバンク育成1位)捕手&投手 (黒沢尻工出身)
蔵の入団前評価:指名見送り
高校時代は強打の捕手という話でしたが、確認した最後の夏は殆ど投手でした。最後の最後で少しだけ捕手としてのプレーは確認できましたが、捕手の素材というよりもそれ以外のポジションの選手なのではと感じました。また、けして走力や圧倒的な長打力があるわけではないので、個人的には指名リストには残さない判断をしました。
そんな石塚選手の一年目は、二軍での出場は無し。
三軍で40試合(70打数) 1本 12点 2盗塁 12失 打率.186厘 といった成績でした。
40試合で12失策ですから、捕手や外野手ではなく、内野手として出場する機会が多かったということなのでしょう。いくら実戦以上に基礎で学ばさないと行けないとはいえ、40試合(70打数)は、かなり少ないと言えます。そういった意味では、ソフトバンクの三軍制でも、出場機会を与えるという意味では不足気味なことが伺えます。
二軍と三軍の成績は単純に比較できませんが、5分ぐらいは打率において違うように考えています。すなわち、.186厘の打率はファームに出場していれば、.136厘ぐらいだった可能性があり、高卒ルーキーとはいえ、かなり厳しかったことが伺えます。また1本塁打・2盗塁の数字からも、長打力や走力でアピールするタイプではないかと書いたのは、寸評の通りでした(上記の氏名をクリックするとアマ時代の寸評が自由に読めます)。
数字をもう少し詳しく観てみると、70打数で23三振。三振比率は、32.9%となります。二軍の成績の時に、一軍を意識するのであれば、20%以下にしたいと書くので、当然三軍の選手が二軍を目指すのであれば、この数字を20%以下ぐらいにはしたいところです。それだけ三振が多いということは、振ったバットが思い通りボールを捉えることができなかったことが伺えます。
四死球は20個で、四死球率は 28.6% と、逆にこの数字は破格です。いつも書きますが、四死球率の目安は10%以上であり、15%以上あるとかなり優秀です。三軍とはいえ、これが28.6%というのは破格の数字になります。それだけボールをしっかり見極めることができており、出塁することができたことになります。
このことからも、三軍レベルの相手ならばボール自体は見えていた。しかし、技術が未熟なため、イメージどおりにはボールを捉えることができなかったということになります。ここから言えるのは、今後技術的な改善が観られれば、内容を良化させて行ける可能性はあるということになります。
確かに残した成績からすれば、高卒ルーキーでもかなり厳しいものだった。プロとのレベルの違いを、強く実感させられた一年だったのではないのでしょうか。ただし、四死球率の高さからも、今後内容を改善して行ける可能性は秘めており、数字ほど悲観する内容ではなかったのではないかと。そういった意味では、及第点は与えられる一年目だったと評価します。
蔵の印象:△ (技術的な差をいかに埋められるか)

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