かようび、ポコンと休みが取れたので、しめしめとニヤつきながらひとり花見をした。
ほろ酔いで街をぶらつくのはたのしい。いつもよりものがよく見え、空気のにおいや感触も濃く感じられる。春の夕方〜夜の空気はなんとも言い難い、ひりひりするようなせつないものですね。
高校生の頃、近所の桜のきれいな神社でこっそりビール飲んだことや、数年前までよくチャリンコに乗りながらビール飲んでたことを思い出した。飲酒運転の取り締まりが厳しくなる前の話。
あとこれも数年前になるが、この季節にものすごく不可解な片想いが山場に向かい毎日感情を持て余していた、その時の途方に暮れた感じもやけになまなましくよみがえってきた。
そういった具体的な記憶を喚起するのとはべつに、闇の中にライトアップされて浮かび上がる満開の桜を見上げていると、ぞくっと背筋が寒くなる。
あまりに爛漫と咲きすぎていて恐ろしい。植物のことわりは人間のことわりとぜんぜん違うんだな、なんつうんでしょう、生命の文法が異なる、つうのか、ともあれ異様なものに対面してたじろいだのだ。植物って、昼はやさしげにのどかにしてるけど夜は本性が剥き出しになってるんじゃないだろうか。ありゃ化け物だよ。桜と死体と幽霊が結びつけられるのって、桜そのものの恐ろしさに死体や幽霊で説明をつけたかったからだろう。
って、梶井基次郎になってきたからこの辺でやめます。
明日は桜を追って北上だ!
