草間彌生を撮ったドキュメンタリー「わたし大好き」を渋谷ライズエックスで観た。
白くてでかいキャンバスに黒いマジックでもりもりと絵を描いていく彌生。出来上がった絵を眺めて、「面白い絵になったね」「素敵ねーため息が出ちゃう」と呟く彌生。
なんたらいう賞の、皇居で行われる授賞式に真っっ赤なおかっぱのヅラをかぶり、黒い、馬鹿でかい水玉のついたドレスで出席する彌生。
「自分のことを天才だ、自分の作品がいちばんすばらしいと思っていなければ芸術家なんてやっていかれない」「(著作について訊かれて)自分の書いたもの以外興味ない」と断言する彌生。
描き上がった50枚のドローイングの間をちょかちょか歩いている彌生。
シビれてしまった。そして何度も、泣きそうになった、ていうかちょっと我慢できなくて2滴くらい泣いてしまった。
30回くらい吹き出した。
わたしたちが見ているのは彌生のイノチの燃焼だ。
先駆的でポップで、というだけでは全然なく、とても澄んでいて熱い、彌生のたましいだ。彌生が生きてどんどんつくっていくさまを目の当たりにできるのは大変な幸福なのだと思い知った。
ものすごく長生きしますように。
黒マジックで絵を描く彌生を見て、パイロットのゲルインキボールペンで絵を描くことに自信をつけたわたしだ。
大変おこがましい話だが自分が絵を描く時と形態だけはかぶってたのだ。許して彌生。