エバさんの記事でその存在を知った、カリンのジュレを先日作った。普通のジャムとは違う手順が神秘的でおもしろかった。
カリンを皮と種ついたまま切って水で煮て、布で濾した煮汁に砂糖を加えて煮詰めていく。
ネットでレシピを調べると、布で濾す時に決して搾るな、自然に落ちたしずくだけを使えと書いてある。そうしないと濁ると。
せっかくだから透き通った美しいジュレにしたいと、その通りにした。家に砂糖があまりなく、買いにいく暇もなく、掻き集めてやっと煮汁の半量くらいの砂糖を捻出できたので入れる。煮汁は薄い黄色で、煮詰める前からすでにペクチンでトロッとしている。
煮詰めていくと、赤っぽくなってくる。いかにも喉に良さげないい香りの湯気が上がる。このくらいでいいか、と、白い器に取ったら、うっとりするような夕焼けの色になっていた。味も甘酸っぱくてとても美味しい。やはり砂糖が足りなかったのか、ムルムルとはしているがゼリー状にはならず、ゆるいスライムぐらいだったが。きれいなスライム!きれいなジャイアン!
春夏秋冬と、けっこうジャムを作ったが、カリンには特別感激した。なぜなら使ったカリンは家の庭に植えてある木に成ったものだからだ。しかも、超ほったらかしで日陰に植えられてて、花も実も期待されてなくて、毎年一個か二個の実が地面にゴロリと転がってて、それを見つけてやっと木の存在を思い出すような不遇なカリンの実なのだ。
今年もやはり地面にふたつ転がっていて、「わ、実、ついたんだ!」とびっくりした。
ふたつだけだが、でかい果実なので、うつわになみなみとジュレができた(ジャムは保存しないですぐ食べきってしまうので瓶には入れない。瓶に入れると存在を忘れがちになるし)。
今までカリンの実が転げてるのをどうにかおいしく加工しようとしたこともあったが失敗していた。ジュレが正解だったのだ!庭に転げているものから、あのような美しいたべものができるとは…!
さらに、レシピ検索の折、カリンの種から化粧水が作れることまで知った!カリンの種を少量の焼酎に浸し3日間。出てきたじゅるんじゅるんの成分を濾して精製水で薄め、グリセリンやトレハロースを加える。実は化粧水はいつも自作しているので、これには興奮して一も二もなくやってみた。一個分の種を化粧水用にした。レシピには米焼酎って書いてたが家には麦焼酎しかなくそれで代用。なのでちょっと麦くさいが、肌が!もっちもちに!すげえ、カリンすげえ!
そして次のジャムとして、ゆずのママレードを作ったから、カリンのジュレを食べ終えてもがっかりせずにトーストを食べられるのだ。ふふん。三個百円のゆずが、朝のお楽しみに変身だ。
ジャムってつまらんもののようが気がしていたが、パンとバターと合わせるとスペシャルな食べ物だなー。あ、ロイヤルソイミルクティもマストね。
漬けっぱの梅酒の梅も近いうちジャムにしてやろう。