落ち葉にテレビ、ってのはエーツーがMALICE MIZER(変換候補にあってびっくり)のイメージを一言で表した言葉であり、彼らの「オルボワール」という曲のPVの冒頭シーンに由来する。マリスは落ち葉にテレビだからね!と興奮ぎみに語られたりするのである。つまり、落ち葉にテレビが埋まってる程度のそれっぽさ、意味ありげさを、本気でやるということである。
マリス最盛期にライブを観ることができた人は僥幸である。羨ましい。妬ましい。城のセットを組んでしまうのである。楽器を持ってきて、全く弾かずに踊る人間を見られるのである。「その気」の頂点を目の当たりにできるのである。
と、久々にPVやライブ映像をあさり見て興奮したのだけれど、わたしの「落ち葉にテレビ」には、新たなる1頁が加わったことを報告させてもらおうじゃないか。
あーあー。えへん。あのですね、テレビが埋まってるじゃないですか意味ありげに。森の中の落ち葉に。その落ち葉、落ち葉というものには粘菌がついてますよ!
写真を見てください。真ん中らへんに白いツブツブが写っているでしょう。携帯電話のカメラではこれが限界ですが、肉眼や虫めがねでよくよく見ると柄がついた球体みたいな形をしとります。1ミリあるかなきかのごく小さな物体です。しかし確かに粘菌の子実体です!
たぶんだけど、シロエカタホコリってやつじゃないかな。
王子の飛鳥山公園で落ち葉をひっくり返して見つけたものである。
粘菌好きになるとこんなものがうれしくてたまらないのだ。
「観光」読み返し始めた。粘菌→熊楠→民俗学、宗教、中沢新一と興味が広がり、少しずつ関連する本を読んでいると、何かわからないけどすごい手応えを感じる。この手応えの感じは、数年間に「没村」というアルバムの構想を練っていた時と近い。だから(強引)、この粘菌の一連の流れを汲んで、というか意識して、わたしは「没村」をもう一度組み立てるべきだ。
会社の若者の誕生日にまついくん(繁彦)のアルバムをあげたい衝動に駆られているがどうだろう。多分通じないからやめといた方が賢明なのであるが。何しろ文化に対して異様にボキャブラリーと知識が貧困な地域なので、「某さんって 個性派ですよね/インディーズ系ですか?/何考えてるかわからない」と言われるのが上限であって、「某さんって アングラですねサブカルですねガロ系ですね」とは、これらの言葉を知っている者がほぼ皆無なので全く言われない。ヤッホー!むしろ清々しい地域だ。だから好き、だから北関東。なのだが、わからないもの・知らないもの・テレビに出てないものに対して自分の言葉で考えて表明することをあまりしない傾向が若者には多く見られ、「ヤバい」「キモい」「ウザい」「意味わかんねーし」で大部分のわからない物事は片付いてしまう。偏見だけどね。
だから松井繁彦の究極にキャッチーで拗ねたアナーキーさが癖になる「君んちよりマシ」も、「何あのキモい音楽」とか言われたらかなしい。でも「どーよこれ、最高じゃない?」と意味もなく胸を張りたい自分がいるのだ。「恋人未満タンポン以下」全員聴けよ!ってな。
長すぎた。
おやすみなさい。
