みずほ銀行のコンピューター・システム障害は震災直後の3月15日に起き、給与振り込みなど約116万件(計約8300億円)を超える入金が滞ったほか、ATMも数日間止まった。
そのシステム障害は、東日本大震災の義援金を受けつける準備を怠ったことが原因の一つだったことがわかった。
義援金のように多くの人が大量に振り込む可能性がある口座は、通常の口座とは別扱いにしている。1口座に振り込み依頼が殺到すると、システムへの負荷が高まり、ダウンしてしまうという。
だが、フジテレビが系列局とともに3月13日から募集し始めた義援金の振込先になった東京中央支店の口座は、通常の口座と同じ扱いだった。
このため、多数の振り込み依頼が押し寄せて、システムが加重に耐えきれなくなり、15日に止まったらしい。
みずほ銀行は、行内調査結果を28日にまとめ、金融庁に報告したが、当面の再発防止策の中に、システムが止まったときの危機管理マニュアルを改善することが盛り込まれていた。
だが、このことは逆に言えば、今回のような形でシステムが止まることは「想定外」だったので、危機管理マニュアルも整えていなかったといえるだろう。
「想定外」の事態に慌てふためき、復旧作業が混乱し、ATMや外貨取引も止まった。
「想定外」ということでは、福島第一原子力発電所事故における東京電力もそうだが、みずほ銀行も同じだったということになるだろう。
みずほ銀行では、西堀利・頭取が引責辞任する方針を固めているが、東電の社長も同じく、自分の任期の間にはとにかく何も大きな事件や不祥事が起こらなければいいし、もし起きちゃったら運が悪かったと考えている経営者たちの心理が見え隠れする。

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