女川原発のある女川町の地図を見てみたら、三方を石巻市に取り囲まれている。残る一方は海である。
石巻市は、2005年に隣接する桃生郡のうち、桃生町、河南町、河北町、北上町、雄勝町、牡鹿郡牡鹿町と合併した。いわゆる平成の大合併というやつだ。
しかしながら、女川町だけは合併を拒否して今日のような形になった。
女川町の財政は、東北電力の女川原子力発電所によって「原子力発電施設等周辺地域交付金」および「電力移出県等交付金」からなる「電源立地特別交付金」が交付されるため、近隣の市町村と比べると潤沢な財政を持っているのだそうである。
そのため、石巻市など周辺市町村との合併には消極的である。
ふーん。そういえば例の福島第一原発のある双葉町、大熊町なども、平成の大合併にもかかわらず周辺町村との合併は拒否して拒否してきたようです。
ただ、双葉町に関しては事故前から過剰なインフラ建設の維持費がかさみ、財政難に陥っていて、おそらく周辺自治体のほうも合併など言い出さない状態だったようです。
今、原子力発電再稼働問題がにわかに大きな関心を呼んできています。
北海道電力は定期検査のため、運転中の泊原発3号機を5月5日に運転停止させる方針を固めたそうです。
この26日に東京電力柏崎刈羽原発6号機が定期検査入りするため、関西電力大飯原発3、4号機の再稼働されないまま、北電が泊3号機を停止すれば、全国に54基ある原発全てが停止することになります。
北電は当初、泊原発3号機の停止時期を4月27日と設定していたのですが、5月5日まで引き延ばした。
おそらく政府としては、4月中に何としても大飯原発を再稼働させて、国内の稼働中原発がゼロになる事態を避けたいという意思を強く持っているということでしょう。
まあしかし、1機だの2機だのの原発が動いていることが、どれほど電力事情に影響をもたらすのかを考えれば、よく言えば象徴的、しかしながら現実は、ただのメンツの問題みたいな感じがしないではありません。
しかし、ここにきて原発が直接に設置された小さな「豊かな」町村と、その周辺の町との温度差が、政府にとっての最後の「難関」である地元の同意なるものの行方を考えるのに、重要な点になりつつあるんでしょうか?

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