チェルノブイリの事故が起こったころ、日本の原子力専門家たちは「あれはソ連だから」という話をよくしていた。「日本ではあんな事故は起こりえない」
確かに、格納容器がないなどの原子力発電所の設計上の違いはあった。
だけど、ソ連の技術者は日本に比べて劣っているというニュアンスの発言がずいぶんあったような気がする。その点はどうなんだろう。
ソビエトは、世界で初めて人工衛星を上げた国であった。それに衝撃(スプートニク・ショック)を受けたアメリカは、子供の教育のあり方まで見直そうとし始めたくらいだった。
確かにチェルノブイリ事故は信じられないようなミスが重なって大事故になったわけだが、あの優れた技術大国だったはずのソ連がどうしてあんなことになったのか、という視点が日本の原子力技術者にはなかった。
ワタクシが日本の原子力発電もヤバイのではないかと深刻にかんがえるようになったのは、チェルノブイリ事故のころというよりは、むしろ東海村のJCO事故の時である。
あのときも、日本の原子力技術者たちの多くは、下請け業者が無知だったというような言い方で言い逃れをしていたように感じた。
東海村の村上村長も、JCOの事故をなかったことにしようとして隠ぺいを図った原子力ムラの体質を見て、日本は原子力発電をやる資格はないと考えるようになったらしい。
それにしても、チェルノブイリ事故がソビエトを崩壊に導いた大きな事件であったことを、日本の原子力ムラの人たちも、多くの政治家もあまり自覚していないことがワタクシには恐怖だ。
福島の事故をなかったことにしようと考えている人たちがおおいようだが、日本という国家を数年後に崩壊させるのではないかという危機感を持っている人は意外に少なく感じるのはワタクシだけだろうか?
まあ、薄々感じてはいるのかもしれないが、「パニックを引き起こす」とか「余計な風評被害」まき散らすのはよくないと感じていらっしゃるのかもしれないが・・・・。

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