「逆コース」という言葉を知っている人は少ないだろう。
敗戦直後の日本国憲法の成立や政治・経済・社会の民主化が進んだ時期を経て、下山事件、三鷹事件、そして朝鮮戦争を経て警察予備隊(自衛隊の前身)の成立など、民主化の流れが逆回転し始めた時期のことを指す。
アタシは、最近この「逆コース」という言葉をよく思い浮かべる。
去年の3.11以後、大手メディアの報ずる原発報道のウソが露わになり、これまで片隅に追いやられてきた反原発運動の情報が、インターネットメディアを通じて多くの人に共有されるようになった。
同じようにながらく片隅に追いやられてきたデモという政治表現が、社会の表舞台に姿を現した。
震災や原発事故の不幸はありながら、長い日本社会の停滞の根本原因がようやく姿を現し、政治や社会の変革があり得るのではないかとの希望を持った人々も多くなった。
しかしながら、さまざまな巻き返しの動きが1年半を経た現在、目に付くようになった。おそらく、次の総選挙の結果次第では見えかけた春の兆しも一気に冬に逆戻りする可能性もあるのではないか?
これは新たな「逆コース」なのかも。

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