「ヨーロッパ各国の中央銀行首脳が安部政権を批判???」
経済
「世界の中銀、『アベノミクス』に批判の嵐〔フランクフルト金融観測〕」という記事が目に付いた。(時事通信1月25日)
「安倍晋三首相が掲げる大胆な金融緩和・経済政策『アベノミクス』が『通貨安競争を招く』『中銀の独立性を脅かす』と世界で波紋を広げている。特に、中銀当局者から聞こえてくるのは批判一色。各国中銀も経済・金融危機の中で自国政府からの金融緩和圧力にさらされているだけに、独立性への脅威を人ごとと放置できない様子だ。」
日銀は、22日に消費者物価の2%上昇を目標とすることや、金融緩和策の拡大を、安倍首相の希望を入れて決定した。
ドイツ連邦銀行のワイトマン総裁は21日の講演で、日本の新政権が中央銀行の領域に干渉して独立性を脅かしていると批判した。
ハンガリーのオルバン首相は、強権的な手法で司法の独立や報道の自由を侵害する法律を制定し、中央銀行の独立性もおかしているとしてヨーロッパで批判されている。これをドイツ連銀総裁は、ハンガリーと日本の新政権を並べて批判してみせた。
「イングランド銀行(英中銀)のキング総裁も22日の講演で、名指しは避けたものの、一部の国が為替レート引き下げのための措置を取ったとした上で、こうした手法は「通貨戦争」を招くと懸念を表明。米セントルイス連銀のブラード総裁も、日本の姿勢に「困惑している」と語っている。」
「米国や欧州でも、リーマン・ショック後の金融危機や、欧州債務危機を受けて各中銀が大胆な金融緩和策を実施している。特に、欧州中央銀行(ECB)は国債利回り押し下げを求める南欧諸国の政治圧力で、当初消極的だった国債購入実施に押し切られた感がある。」
「それでも、国債購入発動の条件や規模などの決定はECBに委ねられ、最終的に独立性の体面は守った。各国中銀の間でも、日銀が数値目標まで政府の意向をそのまま飲む日本のケースは、一線を越えていると受け取られているようだ。」
要するに、日本は中央銀行の独立も守られていない3等国であるという批判である。
この批判が当たっているとは思わないが、こういう言いがかりが出てくるという背景については考えねばならないだろう。

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