安倍総理の経済政策顧問になったらしい浜田宏一・エール大名誉教授は、アベノミクスに対して「国際社会?」が批判していることに反撃した。
国際通貨基金(IMF)のラガルド専務理事は「競争的な通貨切り下げには反対」だと表明し、アメリカ自動車大手3社首脳は「日本は円安を通じた近隣困窮政策を取ろうとしている」と言い、ドイツのショイブレ財務相も「日本の新政権の政策は心配」と述べたり、ロシア中央銀行幹部まで「日本は円を下落させており、他国も追随しかねない」などと通貨安競争を懸念する発言をしている。
20日のNHK番組で、浜田先生はラガルド専務理事の発言を変動相場制の論理を理解しない議論であり、経済学者のジェフリー・サックス、アイケングリーンも懸念する必要のないことを証明している、と批判した。
一国が通貨切り下げをすると、短期的に他の国はマイナスの影響を受ける。しかし、外国も金融緩和をする。そして両国ともにインフレ率が高くなるが、それぞれ許容できるインフレ目標を守り、金融緩和競争はいつまでも続かない・・・。まあそれは理屈上はそうなる。
だが、その理屈は近代経済学アタマで考えた世界の解釈であって、現実はもうこれ以上経済成長が望めなくなった先進工業国が、通貨切り下げを我先に競い合うのが現実の国際政治だという発想に乏しい。
古臭いマルクス主義的言い方をすれば、「先進諸国」は通貨切り下げによって世界の市場争いを行い、さらに資源獲得のためには軍事力行使も辞さない新しい帝国主義の時代に逆戻りしたということなのかもしれない。
マリへのフランスのなりふり構わぬ侵略や、アルジェリアの事件もその目で見ればなんだか妙に分かりやすかったりする。

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