森永卓郎さんが週刊大衆に書いたコラムによれば、都知事選に細川サンが出馬した理由は次の通りらしい。
1.細川サンが出馬することで、脱原発票を二つに割って、宇都宮当選を阻止する。
2.小泉さん自身が出てしまうと、小泉さんが当選してしまうのでそれは避ける目的で、細川 サンを出して、自分は応援に徹した。
ホントだろうか。まず、小泉さんが原発を即時に止めるべきだと考えているのは本心であると思われる。そうなれば、この森永さんの推論は当たっていないことになる。
また、もしも舛添と宇都宮の対決になれば、自民党と公明党の固定票を固めればいくらなんでも負けないというのが常識だろうから、森永さんの推論はこれまた外れということになる。
ではこの森永さんの考えは、彼の小泉嫌いのもたらした妄想で、全く無視していい話なのかというと、そうも言えない。
確かに、小泉さんの脱原発の考えにウソはないし、それは安倍政権の考えと正反対である。
だが、小泉さんは「自民党をぶっこわす」といいながら、壊れそうな自民党を蘇生、延命した実績がある。うがった見方をすれば、小泉さんの脱原発は安倍路線がもしも行き詰まったときの保険をかけておくことを考えているのかもしれない。
郵政選挙のとき、自民党内は郵政民営化賛成と反対で真っ二つ割れた。しかし、結果として自民党のなかの争いに人々の注目が集まって、野党は全く注目されない存在になり、結果的に自民党は大勝した。
そう考えれば、たしかに候補者は細川サンではあったが、小泉さんは自民党を別に離党しているわけではないから、安倍と小泉の自民党内の争いでむしろ自民党内の「活性化」に貢献した都知事選だったということも言えなくはない。
まあこんなことを書くと、「なんだ、オレは結果的に自民党に貢献してたってことか???」なんて怒り出す人が出てくるかもしれないけどね。そう考えると小泉さんっていう人はそうとうに腹黒いのかもね。でも、そのくらい腹黒くなければ政治家なんてやってられないかも。

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