小沢一郎民主党党首の体調問題は、案外重いのかもしれない。
23日木曜日に来日中のインドのシン首相との会談を欠席し、鳩山幹事長が出席した。同夜のCS放送の朝日ニュースター「ニュースの深層」に出演した鳩山幹事長の話もなんだか元気がなかった。
地上波のニュースだと、人の話は断片的にしか放映されないが、この番組だとインタビューで40分近くは話すから、かなり全体的な様子が分かる。鳩山氏はいつも面白くない冗談をはさんで話すのだが、この日の放送はなんとなく生真面目な受け答えが目立った。
各マスコミの世論調査で、「麻生さんと小沢さんはどちらが首相にふさわしいか」という質問に、二倍以上の差で麻生と答える人が多いのだが、これは現職の首相だということもあるし、小沢氏は表に出る部分を管氏と鳩山氏で分担していることで、党内の求心力を保っているところがあるから、どうしてもテレビの画面に出てくる回数は少なくなるせいでもあると思われる。
その代り、小沢氏は地方をこまめに回り続けているから、それが実際の選挙戦になると生きてくるだろうと私は見立てていた。かなり山の中の村まで小沢氏はまわっているとのことだから、そういうところで握手した人は、東京の街頭で小沢氏を見た人よりよほど印象が深いに違いない。
だが、小沢氏の体調が選挙戦になっても万全じゃないとなると、話は別であろう。選挙戦になれば毎日何度も小沢氏がテレビに映ってくれなくては話にならない。
自民党が内々に調査した選挙区情勢によれば公明党と自民党の与党で過半数は難しいと出たから、麻生首相は急に解散を先送りし始めたとも言われる。実は民主党も、小沢氏が自由党解散のときに手元に残った政党助成金を使って極秘に調査を行った結果、東京大阪などの小選挙区は民主党の候補は案外苦戦しているとの結果が出たそうである。
民主党が首都圏や大都市部でこの前の郵政選挙で落とした議席を回復し、さらに上積みするにはかなり頑張らないといけないようだ。楽観的にいえば、地方でこれまで自民党が固い議席を占めていたところがいくつか民主党に転がり込み、自民の大物が危ないという予測が出て、それが都会で競っている民主党の候補者にプラスに働くという、昨年の参議院選挙でのパターンが起こるかどうかだが、衆議院の小選挙区はやはり自民党が最後の踏ん張りを利かせるような気もする。
小沢氏が代表でいる限りは民主党はまとまるだろう。小沢氏がトップだから、管氏も鳩山氏も、前原氏も岡田氏も、役割分担を守っているような感じがする。小沢氏の健康問題があるので、岡田氏に交代となると、微妙なバランスが崩れる危険がある。
今の民主党は、小沢・旧社会党右派・旧民社党が実質上主流派として固まっていて、それに管氏や鳩山氏が協力し、若手がついていくという体制だからである。

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