500万部を超すベストセラーとなった『五体不満足』などの著作で知られる乙武洋匡氏には妻の仁美さん(37)との間に長男(8)、次男(5)、長女(1)の3人の子どももいる。
彼は自民党から夏の選挙に出馬予定と見られていた。しかし、『週刊新潮』がスクープで報じた「五股不倫」が明るみになり、「爽やかでクリーン」というイメージが崩壊。立候補前から政治生命が絶たれると見られている。
だがそもそも、彼を参議院選挙に出そうと画策していたのは、松田公太氏だった。松田氏との間には誓約書めいたものまであるという話だった。
重度の障害にもかかわらず、「両親や周りの大人が愛情をもって育ててくれたので、明確な自己肯定感を持てた」「人生、だいじょうぶ」という物語が、彼の口から語られていた。自己肯定感は確かに大事だが、時に暴走する。
たぶん5人の女性との浮気に走った理由は、自己肯定感にもかかわらず、いまだにコンプレックスを抱えていたということなのであろう。自己肯定感といいつつも、自分が本当にありのまま認められたという肯定感は欠如していたのかもしれない。
世間が彼を見る目は好奇心に満ちている。彼を持ち上げる人たちは、「自分は障碍者差別をしていない」という免罪符をお手軽に手にすることができる。乙武氏も、「自己肯定感」の欠如に悩む世間の人々の俗情と結託して、お手軽な人生の応援歌を手にしてきた。
彼を選挙に担ぎ出して支援しようととする政党も、自分たちはあたかもすべての障碍者にやさしいかのような宣伝をしようという偽善的な動機で彼を利用しようとしてきた。彼一人が障碍者を代表できるものでもないことぐらい、よく考えればすぐわかることだ。
彼を引き合いに出して、あたかも障碍者の性の問題を真剣に考えているかのようなことを言う人もいるが、これもまた自分たちの下劣な好奇心を満たすための道具に彼を使っているに過ぎないし、さらにいえば、彼も利用されることで自分を大きく見せようという欲望を満足させ、実は満たされていない自己肯定感の欠損を埋めているに過ぎないのであろう。
彼は彼の妻にまで「自分にも至らないところがあった」などと謝罪させたことで、かえって女性たちの反発を買ったから、もう出馬の目はなくなったという見方もあるが、夫の不祥事に妻まで土下座して謝罪するなどは、自民党の選挙ではお家芸の一つであろう。だから、「それでも俺は出る」ということになる可能性も大じゃないか。

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