昨今、中国のアフリカ進出を批判する論評をよく見たり聞いたりします。
「中国政府は、ODAを使って自国の経済進出の道具に使っている」とか、「中国は資源確保のためにアフリカの独裁政権を支えている」とか、「中国のODAは援助と言っても借款であるから、結局は援助国を借金まみれにするだけだ」とか。
まあたぶんその通りなんでしょう。そう批判される方々におかれましては、さらに調査や追及をしてほしいものです。
ただアタクシの立場から言えること控えめに申します。
正直言って2〜30年くらい前に今は亡き村井吉敬先生なんかのお話をよく聞いたり、本も何冊も読んだりしましたが、彼の発言のエッセンスを抜き出して、「日本」とか「日本政府」とか「日本のODA」を「中国」に置き換えるとそのまま使える文章になってしまったりするかなあ、などと思ったりします。
しかし、さらに思い返せば、村井先生は決して望まなかったことではありましょうが、日本のODAの歴史を振り返って確かに成功した事例といえば、それはまさに中国へのODAだったのでないでしょうか。
確かアタシの記憶では、天安門事件のあとで欧米諸国が中国への援助を控えた時期、真っ先に援助の継続を決めて建設的に関与していくことが大切などとおっしゃっていた政府関係者の声を聴いた記憶があります。
亡くなった自民党の有力政治家だった町村信孝さんは、たしか中国には空港も道路も橋もいろいろ援助したのに、感謝の言葉もないとかおっしゃって憤慨していましたが、アタクシは笑いをこらえるのに大変でした。
「だって、所詮あれは借款でしょ。まあ借款にしては確かに有利な条件ではありましょうが、中国政府は少なくともきちんと返済しているんだから、それ以上なにか言う必要あるのかな?」

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