現状に不満だが、将来には希望があるという人が「革新的」、現状にもそれなりに満足し、将来にも希望はありと考える人たちは「リベラル」、現状にはそれなりに満足だが、将来には悲観的な人たちは「保守」、現状にも将来にも悲観的な人たちは「反動」だと分類する。
80年代までの高度経済成長によって革新派の多くが保守派、リベラル派に移る。
自民党の中でそれなりに大きな勢力を持っていたはずのリベラル派が、保守派に後退する。
1995年以降のいわゆる「格差社会」への移行によって、反動派がネット右翼に代表されるように、世論の注目を集めるようになった。
80年代以降、リベラル派や革新派の力が落ちたのは、それまでの時代にはリベラル派や革新派が唱えるタテマエとしての自由と民主主義、人権という価値観に多数が共鳴していたというよりは、リベラル派や革新派の政治がもたらす「現世利益」があることを感じていたからだろう。
したがって、「現世利益」なきタテマエの政治は多数派の支持を失い、漂流し始めた。それが90年代後半からの「右傾化」の正体だろう。

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