教えている日本語学校で中国人学生から、自分たちも1万2千円もらえるのかという質問がでた。
「外国人登録をしていて、本人確認ができる人ならもらえるだろう」と答えておいた。「ただし、予算と関連法案が国会を通らないとダメだから、いつになるかはわからないけど」とも付け加えておいた。
「彼らのアルバイトの時給から見れば、1万2千円は結構大きいようですよ」と学校の事務の担当者。
さて、2008年度第2次補正予算は成立したが、そこに盛り込まれた2兆円の定額給付金については、財源となる財政投融資特別会計の「埋蔵金」を取り崩すためにはそのための立法が必要になる、はずであった。
予算は衆参両院の議決が異なる場合衆院の議決が優先するが、取り崩しのための2次補正関連法案は参議院で野党が審議を引き延ばす可能性があるうえ、衆院での3分の2以上の再議決を経なければならない。事実上、予算の執行は難しいとされていた。
しかし、自民党の伊吹文明前財務相が29日の伊吹派総会で、政府短期証券を発行し、資金繰りを付けて、後に成立した法律により償還する仕組みで支給できるという考えを表明した。
「法案が成立しないと支給できないというが、そういう法制上の縛りはない」と伊吹は述べるとともに、「一カ月以内に必ず給付を始めるということで、麻生太郎首相が指導力を発揮してやればいい」として、首相に決断を促した。
河村官房長官は記者会見で、伊吹氏の提案について「財政法上できないことはない。伊吹氏の提言を検討して、内閣の統一見解を求めなければならない」と表明した。
同じようなことは、28日に世耕弘成参議院議員がテレビ(朝日ニュースター)で発言したのを聞いていた。 その発信元は伊吹文明であったのだろう。さすがに元財務官僚はいろんなところに知恵が回るものである。
もっとも、民主党が覚悟を決めて参議院でずっと法案をたなざらしにし続けたらどうなるか?定額給付金は支給されました。しかし、短期証券の償還ができませんということになれば???(まあ、そこまで民主党がふんばれるほど骨があるともおもえないけれどね。)
世耕議員は、「しかしながら、実際に交付されるときには、各自治体の窓口でかなりいろいろ混乱がおきると思う。窓口に行ってみたら、誰かが自分のお金を受け取っていたとか・・・。これは結構、政権へのダメージになると思うから、政府は自治体に丸投げではなく、きちんと対応するべきだ」と言っていた。
世耕議員は麻生サンと距離を置いているからか、あるいは参議院議員で今度の総選挙には関係ないからか、どこか他人事風だったのが、見ていておかしかったけれど・・・。

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