15日夜に麻生首相、久間章生さんなどと会談した古賀誠自民党選挙対策委員長は、7月12日に投開票が行われる東京都議選と衆議院総選挙の同日選を実施するように求めた。それに対して首相は、答えなかったという。
現実的に、7月12日の同日選はあり得ないといわれる。つまり、都議選に全力を注ぐ公明党は、都議選では自民党候補者とも争わねばならない。一方で自民党と戦い、他方で自民党に協力する選挙戦などできない。総選挙で多くの自民党候補が、公明党から票を貰うことで当選してきた。
同日選は、自民党が公明党というゲタを履かずに民主党候補と争うことを意味する。
そんなことは百も承知で古賀さんが同日選を主張するのは、総選挙前に麻生降ろしの声が挙がるのを封じる狙いがあるのだろう。「そんなにオレを辞めさせたいなら、お前ら、公明党の支援なしで選挙をしてみろ」という脅しである。
「少なくとも、私はこれまで選挙で公明党の支援は受けてきませんでした」と麻生さんは前に言ったことがある。若手の、まだ地盤が固まっていない政治家ほど、公明党の推薦が必要だという現実をよく知っているということか。
民主党推薦の候補者が、千葉市長選挙で勝利した衝撃は大きい。名古屋市長選挙は、そもそも河村たかしの個人票が大きかった。さいたま市の市長選はもともと民主党が強い地盤で、しかも自民系候補者が割れた。しかし、千葉市は自民党が従来から安定した得票をしたところである。
小沢党首が農村部での民主票の掘り起こしを行い、一昨年の参院選を勝利した。しかし小沢さんの秘書逮捕で、都市部での民主党候補は苦戦すると見られていた。だが、今回の千葉市長選での民主系候補の大量得票は、都市部でも民主党に風が吹きはじめたことを示している。
ただ、厚生労働省の局長が逮捕された障害者向け郵便料金割引制度の悪用事件で、民主党議員の「口利き」が取りざたされている。おそらくこれから総選挙まで、何か民主党絡みのスキャンダルはないかと鵜の目鷹の目で探しまわる人がいるに違いない。
結局、不祥事暴露合戦になって有権者が政治離れを起こして低投票率になり、かろうじて自公与党が逃げ切るという予測も成り立つのである。
鳩山由紀夫さんは、「来年7月の参院選で民主党が単独過半数を取れば、社民党や国民新党との連立は消えていくかもしれない・・・」などと発言したが、まだ総選挙までに山あり谷ありだと思うのに、ちょっと先走り過ぎじゃないの?
ちなみに、都議選と総選挙の同時選だとすれば、来週の初めあたりに解散になるということですが、どうなんでしょう。

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